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鍵士無双  作者: キャットフード安倍
第二部・シュミット商業連合国編
46/85

新スキル

 みなを交えて解決策を探るが上手くいかない。


 「スキルをロックしてもダメなのかい?」


 「もう試した」


 「アクセスして他の物にスキル自体を移せば?」


 「そこまで万能じゃないよ」


 「あんたって本当にバッカじゃないの!アレスっちに止めろって言われてたのに!」


 今回ばかりはハコに何も言い返せない。


 「まあ別に構わないんじゃないか?」


 「だな。結構頻繁に分身してるしな」


 「四人なら嫁さんの人数と一緒だし丁度いいじゃん」


 「いやいや、諦めるの早すぎだから!」


 マルボロBCDは楽観的だがAは焦りの色を隠せないようだ。


 「ノーマルマルボロ以外はどんなスキルを覚えたんだい?」


 「Bが「ラミア流格闘術」Cが「剣鬼」Dが「生活魔法EX」だ」


 そしてBCDはアンロッカーズたちと同様にスキルが四つになっていた。彼らはその経緯を実演を交えながら説明してくれた。





 マルボロBは下半身を蛇にさせると毒息を吹き出し目の前の灌木を跡形もなく溶かしてしまった。


 「なんか無理やりスキルを使ったら下半身が蛇になってさ、種族も人からナーガになっちゃった」


 「なんと見事な漆黒の夜色か。惚れ直してしまうではないか」


 ミアは嬉しそうだがまさか人でなくなってしまうとは思わなかった。


 結局のところ「ラミア流格闘術」は本来ラミアしか使うことができず、それを強制的に発動したため下半身が蛇化してナーガになってしまったというところだろうか。


 得たスキルはミアも持っている「擬人化」だ。ちなみにナーガとは稀に生まれる男版ラミアのことである。





 「俺が取得したスキルも「擬人化」だよ。種族も鬼人族だってさ」


 マルボロCの三つ目のスキル「剣鬼」は剣を構え振るっている間は鬼化して角まで生えるというレアスキルである。その状態をロックしたところ四つ目のスキル「擬人化」を得たらしい。


 もしかすると「剣鬼」は「ラミア流格闘術」同様鬼人族しか発現しないものだったのかもしれない。


 マルボロCは額中央の髪の生え際にある一本角を自慢げに突き出している。うざい。





 「で、お前は何故「生活魔法」を選んだんだ?」


 「おい!EXを付け忘れるんじゃねーよ!俺のは特別性だぞ!」


 「生活魔法EX」で出来ることは以下のことらしい。


 空調・指定した一定の範囲内の温度を暖かくしたり涼しくすることができる


 警備・指定した一定の範囲内に敵意及び悪意をもった者が侵入してきたとき警鐘を鳴らす


 冷凍、解凍・対象を一瞬で氷漬けにし保存する。解凍しない限りその氷が溶けることはない


 移動・自発的に歩行することなくあらゆる方向に進むことができる


 タバコ・魔力を使って煙草を具現化する


 空調、警備は確かに便利そうだ。冷凍は生きているものに対しては抵抗されるため効果がないらしいが、これからは時間が停止されない影収納をより効果的に使うことができるようになるだろう。


 「ムーブオン!」


 マルボロDはそう唱えると地面の上を滑るように進みだす。その直後つっと浮き上がったと思ったら自由に空を飛び回りはじめた。


 「ハハハ!どうだ羨ましいだろう!」


 俺もみなからあんな風に馬鹿っぽく見えているのだろうか。確かに羨ましいのは否定できない。


 散々飛んで満足したのか降りてきたDに尋ねる。


 「タバコってのはどんな能力なんだ?」


 Dは指先に具現させたタバコに火を点けるとぷかぷかと吸い出した。どうやらタバコの一点を急速に高温にすることで着火できるようだ。


 「……、で?」


 「これだけだけど?」


 「そ、そうか……」


 Dによると新たに得たスキルは「手加減」だということだ。「生活魔法EX」にアクセスしたところ何やら制限がかかっていたためそれをアンロックすると四つ目のスキルが発現したらしい。


 「生活魔法EX」に「手加減」が加えられなくなったことによりもはや生活魔法とは呼べないほどの威力になってしまったのである。





 話し合いの結果、俺はサラをBはミア、Cはリーナ、Dはエマを嫁にすることに決まり、マルボロDをヘルムートに帰し残してきたマルボロEと交代させることにした。


 「警護」を使えるマルボロDが適任であるし、春とはいえまだ肌寒い日もあるため身重の嫁たちを空調の効いた部屋で過ごさせてあげるためだ。


 ヘルムートへ帰るために浮かび上がったマルボロDにくぎを刺す。


 「嫁さんたちの前でタバコは控えろよー」


 Dは手だけで返答すると瞬く間に飛び去っていった。


 マルボロの三人はいつまでも羨ましそうにそれを眺めていた。

 


 


 


 

 

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