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いちわめ 豊岡真幸


「神楽さん。 僕と付き合ってくれませんか?」


こくりと頷く君。

あたり一面に桜が咲いた。




高校2年の春ウキウキしながらドアを開ける。

そこには一際目立つ君の姿。

さらりと光る髪

長いまつげ

白い肌。

ありきたりな表現だけど、違うんだ!

まるでそこに美しいカサブランカが1輪咲いているような人なんだ。


僕は話しかける。

「おはよう。神楽さん。」

彼女は頷く。

心がまるで風船のようにふわふわとしている。

まるで花に誘われるミツバチのように君に惹き付けられる。

ただ、今までのミツバチとは僕は違う。

なんたって君は、君は僕の彼女なのだから!

僕の視線は君のものだ神楽さん…!


「おはよう。豊岡。」

僕に話しかける声すらも、今はどうでもいい。

なんたって、僕は神楽さんの彼氏になったのだから!


「おーい。豊岡!」

何度呼ばれようと、僕には関係ない!

僕の瞳は神楽さんしか映さないんだ!

なんたって、僕は神楽さんの彼氏になったのだから!


「おい!!!豊岡!!!!」

何度も何度も呼ばれようと僕の耳には神楽さんの息遣いしか聞こえない、

なんたって、僕は神楽さんのか「豊岡!!!!教室移動!!!!」


仕方ない。友人も構う配慮をしてこそ、神楽さんにふさわしい彼氏というものだ。

「あぁ、永山。

すまない。僕は今世界一の幸福に浸っていたのさ」

永山の眉間にシワがよる。

「は?意味わかんねーよ!」

僕は心を込め大きな声で言う。

「説明してあげよう。

僕は神楽さんの彼氏になったんだ!!!」


しんと静まる周り。

誰も口を開かない。

みんなの憧れを僕が取ってしまったからか?

みんな、恨まないでくれよ。


そこで永山が口を開いた。

「おい。本気か?

あの変わり者の神楽か?」


「変わり者?どこが?

あの美しい容姿、そして優しさにあふれる…!」

「だって神楽笑わねーし、喋らねーじゃん。

俺ら誰一人、声を聞いたこともねーよ?」


「うん。僕も聞いたことないよ?

でも、それすらも彼女が1人凛と佇むカサブランカの様な所以であるのだよ。」


「いやいや!俺なら耐えられねーわ!」

永山の一言に周りは頷く。


どうしてそんなこと言うのだろう。

あの美しいカサブランカは誰もが羨むものじゃないのか?


僕は思い立った。

「よし!じゃあ僕が愛の力で神楽さんを笑わせよう!」

周囲の顔が驚いた顔から呆れ顔へと変わる。


「無理だと思うぜ?」

永山の言葉に周りは頷いた。

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