表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔の憂鬱  作者: 甲ニ
5/6

回収

第伍話


「森田く~ん、やっぱり人間はよく分からないね~」


僕は森田くんの家で

いつもの芋焼酎をいつものようにオツマミ無しで飲んでいた


「あぁ!よくわかんねーよな!」


森田くんはすでに今週のノルマは終わらせていたからか

ガバガバと焼酎を呑んでいた


僕はまだ、馬淵俊雄の件は終わっていなかったが

土曜日までは会うつもりもなかったので

森田くん同様にガバガバと呑んでいた。

そして森田くんに尋ねた


「なんで土曜日には魂を抜かれるのに仕事すんだろうね?

僕はてっきり仕事なんてものは生きていく為に仕方なくするものだと思ってたよ」



「アイツら、よくわかんねーよな。」


森田くんは先ほどと同じような事を言っていた。


「最後くらい好きなように生きたら良いのに」


僕は率直にそう言った。


「仕事が好きな事なんだろ!」


えっ?

僕は森田くんのストレートな答えに以外にも納得した。


「そうか!馬淵俊雄は女の子と遊んだり、旅行に行ったり

お酒を呑んだりする事よりも

仕事をして契約を取る方が好きって事なんだね」


「そうなんじゃねーか?」


森田くんは空になった僕のグラスに芋焼酎を注ぎながらそう言った。


〜土曜日〜


僕は馬淵俊雄に会う為に

彼の家の近くまで足を運んだ

今日の馬淵俊雄は休日だからか、いつものビシッとキメた

スーツ姿ではなく私服姿だった

特に昨日の契約の結果や

私服である事には触れず僕の用件だけを伝えた


「例のモノはどこですか?

手ぶらみたいですが!」


彼の手には何もなく

僕が求めるモノは無いようだった


「すいません。先日、知人から受けとったのですが、、」


無いのか。

僕の頭に最悪の自体がよぎる


「ですが?なんですか?」


僕は少しだけ緊張し、彼の言葉をまった


「仕事中だったので新宿駅にあるロッカーに入れたままなんです」


ふー。

僕は彼の答えに安堵した

てっきり「準備が出来なかった」と言われると思っていた

からだ。


「良かったです。新宿なら帰りに寄れるので」


馬淵俊雄は右ポケットから

黄色いプラスチックに48番と書かれた鍵を取り出した。


「直接お渡しできなくて

申し訳ありませんが

西口の第3ロッカーです」


そう言い、僕に手渡した。


「では約束通り、魂を回収させて頂きますね

馬淵さんの家で良いですか?」


「私の家ですか?ここではなく?」


僕は、外で人間が死んでいたらあまり自然では無い事

生きている状態の人間をビルから落としたり

駅のホームから落とすのは

あまり好きでは無い事を伝えた。

何よりも人間に見られるのも嫌だった。


馬淵俊雄は素直に僕の意見に応じてくれた。

暴れたり不満を言う事もなかった。

僕に気をきかせたのか、

「遺書でも書きましょうか?」

と、言ってくれた。


「いえ、大丈夫です」


僕と馬淵俊雄が交わした最後の会話だった

馬淵俊雄の家に着くとスグに

魂を回収する作業にあたった

余計な会話などはなかった。


ソファに腰掛ける馬淵俊雄に目をやった

彼は長い長い呪縛から解き放たれたかのように安らかな顔をしていた

使命感や責任感。

重圧やストレス。

全ての事から解放され

遊び疲れた子供が眠るように

深い眠りについていた。


今週の僕に与えらたノルマは

達成した。

僕は「USBメモリのようなモノ」をタブレットに差し込み

新宿へ向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ