No.1 どこかの惑星
ようやく夏休みで執筆もあまり間を開けなくても済みそうです。
しかし、構想を練っていた電車の乗車時間が消えたのは辛いような気がします。
視界の端で輝く光を捉えた。
そこから飛来するレーザーを体を捻ってかわし、3点バーストを叩き込む。かなりのダメージを受け、自棄になったようにレーザーを乱発するロボットの頭部にもう一度銃弾を叩き込み、完全に沈黙させる。
「なんで銃でインファイトするかねぇ。それなら、槍なんかの方が使い勝手がいいでしょうに。」
通信に入る呆れたようなため息。
「何を使ってどう戦おうと自由だろう。それに、槍は遠距離型を迎撃するのに若干のタイムラグがある。」
「悪いとは言ってないでしょうが。武器の特性ガン無視した戦い方は如何なものかと言っただけ。」
副官のフールとどうでも良い言い争いをしながら基地に帰還する。1週間にも及ぶ単独での偵察任務もようやく終了した。
「第769部隊隊長フィラル、単独偵察任務より帰還しました。」
「また死なんかったか。貴様らなど国を守ってとっとと死ねば良いんじゃ。下がれ。」
帰還の後、真っ先に司令官に報告する。内地から来た人間であり、国の主導する差別政策を体現したような人間でもある。それなのに何故帰還報告を義務化するのか疑問が残るが、それは部隊の把握や規律の維持などのためにも必要なのだろう。
部屋から出たところでまたフールから通信が入った。
「何故内地の人間は俺たちを差別するんだろうな。人種も何も違わないというのに。」
「どうやって聞いてたんだよ。それは、爺さん達の代が起こした反乱が原因じゃないのか。簡単に侵攻を許したのもそれで国力が弱まっていたからだろう。」
「しかし‥」
「難しいこと話さない!!任務外くらいしっかり休みなさい‼︎」
人の会話を唐突にぶった切るその言葉は思いの外大きく響き、ヘッドセットから漏れ周囲の人から訝しげに見られることとなった。
「アホか!もっと静かに喋れ!だいたい毎度毎度お前は‥」
「はいはい。良いから作戦室に戻って来なさい。」
説教を始めるフールを完全にスルーし、彼女は喋る。
「帰還したら顔出すくらい当然でしょ。フールもオペレート終えても大丈夫だろうし、帰って来なさい。」
「わかってる。すぐ戻る‥と言ってももう部屋の前なんだがな。」
生体認証を済ませ、フィラルはドアを開ける。その瞬間鳴り響く破裂音。思わず腰の銃に手を伸ばしかけるが、飛び散る紙片からクラッカーであると判り仲間を撃つような事態は避けられた。
「「「「「「おかえり!!」」」」」」
「大袈裟だな。たかだか1週間の前線任務だ。生還を祝うようなものでも無いだろう。」
フィラルは苦笑するが、それだけで収まらない人もいるのがこの部隊である。
「クラッカーなんか使うな‼︎誰が掃除すると思ってるんだ‼︎ハーベもお姉さんを気取るだけじゃなく家事をしろ‼︎」
数十秒遅れて入って来たフールが吠える。しかし、
「じゃあみんなご飯食べよう!」
当のハーベは先程のように華麗にスルーを決める。
この部隊は最重要拠点の防衛にあたる精鋭揃いの部隊のはずなのだが、隊員は落ち着きというものを知らないらしい。常日頃からうるさい。
「ところで、『BAI』の情報は掴めたの?」
「いや、それなりの奥地でも単独で対処可能なクラスのロボットは情報をほぼ持っていなかった。やはり、大型にしか情報を持たせない方針のようだな。」
ー『BAI』 それが我々の戦う敵である。
かつて、人々はロボットの開発に力を注いでいた。国家プロジェクトとして進められており、最大の成果として偶然発見された新技術によって人間をも超える知能を持つ人工知能が作られたということがある。
しかし、人間はその制御に失敗した。数々のロボットはハッキングされ、人間は窮地に立たされることとなった。彼らの肉体にはレーザーによる攻撃が一切効かず、旧時代の遺物である実弾銃などによる物理ダメージしか与えられなかったからである。しかし、粘り強く武器を改良した人々は丁度発生した大規模な反乱の参加者達に武器を与え、最前線へ送った。最前線との間には強固な電磁柵が敷かれ、ロボットの侵攻と反乱を防いでいる。こんなよくできたお話だが、今のところそれを覆す根拠はない。
「相変わらずこちらに情報を掴ませないのは流石というべきだな。」
フィラルはため息を吐く。
「全くだ。オペレートしてても成果など出てこないから暇でしょうがない。」
ようやく怒りが収まった風のフールも合流する。
「暇とか言っちゃいけ‥」
と、その瞬間けたたましい警報音が鳴った。
もうそろそろ文章の支離滅裂化が始まって来ました。
おかしいところなどありましたら、遠慮なく伝えてください。今後の執筆に生かさせていただきます。