最後の魔王伝説

第十章 冥界よりの侵略者

『掴め』

　果たしてこれは決着と言えるのだろうか。

　本人たちがそういうのだから、そうなのだろう。

「――俺の勝ちだ」

　ニコッと口角を上げて勝利宣言をする。

　フレンに召喚されて、レグルスになってから一番大変な戦いだったと思う。いろんな事情が重なりすぎて、それらを含めた立ち回りをしなければならなかったからだ。

　とここまで考えて、これはいつものことかとため息をひとつ。

「魔王とは、もっと尊大で楽なものだと思っていた時期もあったよ……ははは」

　乾いた笑いが込み上げる。