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最後の魔王伝説  作者: 入山 瑠衣
第十章 冥界よりの侵略者
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『旋律』

 瞼を下ろし暗闇に視界を埋め、耳から聞き入る音に意識を集中させるダンテ。


 風で木々が揺れ、木葉たちが心地いい安らぎの音を奏でていた。


「――およ、オレっちの相手はあんたかい?」


 が、平穏は空から飛来した何かによって崩れ去る。


「ええ、そうです」


 ゆっくりと瞼を上げ、落ちてきた者の姿を視界に捉えた。


 成人したての少年のような幼さ残る風貌。キリッとつり上がった目尻に加え、人懐っこそうな笑みを浮かべる者だった。

 曲がった黒い角を片方だけ欠けている。



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