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最後の魔王伝説  作者: 入山 瑠衣
第十章 冥界よりの侵略者
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『求めて』

 〈悪魔族〉を相手にする。


 それ即ち、子が親を相手にするようなものだ。


「こっの!」

「――いッ!」


 ロアンの鋭い爪が悪魔の皮膚を抉る。


 血を滴らせながら慌てて距離を取った。


 自分より劣るはずの〈魔族〉に圧倒されている事実は、彼に混乱を強いた。

 ――こんなことはありえない。あってはならないんだ。誇り高き悪魔であるオレが負けるなんて、と。


 しかも、見た目が少年なのが焦る心に追い討ちを与える。


「認めん。認めてなるものか!!」


 両手の黒い爪を鋭利な刃物の如く伸ばし、ロアンを引き裂かんと跳躍した。


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