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『補助』
この作戦の主役は、あくまで〈勇者〉であり〈魔王〉ではない。
「〈断空剣〉」
リュウヤが振り上げた剣から放たれた、空をも斬らんとする斬撃が魔物たちを薙ぎ払う。
ついでに木々も巻き込んで、数本がギギギと耳障りな音を立てながら倒れいく。
ドスンと倒れた木々の下敷きになった魔物の悲鳴が森に響いて、リュウヤに付き添っていた奴らに隙が生まれる。
「キエエエエエエ!!」
攻撃してくれと言わんばかりの連中に二足歩行の魔物の爪が迫る。
近付いてくる魔物に気付くももはや振り下ろされた爪は、その身を引き裂く寸前。防御など間に合うはずもなく――、
「――〈グランレイヴ〉」
しかし、爪は彼らには当たらず、尖るように盛り上がった地面が魔物を屠った。
カグラによる魔法の援護が間に合った結果だ。