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少女と青年(2)
流災から11年ーーー少女は16歳になっていた。
あの後、軍の落星殲滅特別隊として、表向きは落星の殲滅。裏では……化物と関連があるとする、コハブ教の調査へと出発する。
『メア』
やっと聞きなれた偽名を呼ばれ、自分がぼーっとしていた事に気づく。
「どうした? 大丈夫か?」
何でもないですよ、と笑って答える。彼は私の唯一の知人、そして恩人、上司、監視官……
「やはりさっきの戦闘で無茶をしたんじゃ……。ハンナさんの宿へ急ごう。今日はすぐに体を休めるんだ、いいな?」
……まぁ心配性で過保護な……私の”家族”ですかね?