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少女と青年
少女を抱える男。水溜りの水が跳ねる音が、破壊され何も無い村に、悲しく響いていた。
「目が覚めましたか?」 目を覚ました少女は確か軍の……?と曖昧な記憶を探り、軍人であろう女性がベットの横に座っている事に気がつく。
「あ、今は動かない方がいいです……
時既に遅し、全身に痛みが走った。少し落ち着いてから少女は女性から話を聞く。どうやら倒れていた所を保護されたらしい。頭痛のせいか少女は何があったのか思い出せず、記憶が曖昧であった。
少女を保護した兵士は、どうやら少女の知人であったらしい。その人に会うため、もたつきながら歩を進める。
着いた部屋には、いかにも冷徹で無愛想な少し大人びいている青年がいた。しかし声は優しく、少女は彼に見覚えがあった。けれど、彼が誰なのかは思い出せなかった。
彼は悲しそうな顔をしたが
「もう、大丈夫だ」
そう言って少女を抱き、頭を優しく撫でた。彼の珍しい黒髪が少女の頬をかする。
どうやら彼女は記憶を失ってしまったらしい。