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七曜の転生譚  作者: はにゅ
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朝のお仕事完了

 無事スライム討伐を終えて羊たちのもとに帰り着くと、ブラウに水を与えてやり、リューナは羊小屋の外に置いてある木製の椅子に腰かけ、草を食む羊を眺める。


 リューナは小柄であるため、剣はあまり得意ではなかった。叔父に教わってはいるものの、上背のある相手と戦闘すると、どうしても押し負けてしまう。力と技術ならそれなりではあるが、リーチが足りないのは致命的だった。

 その弱点を補うために考えたのが中、遠距離用武器として稀に用いられるブーメランだった。これなら接近されても鈍器として使用出来ないこともない。リューナが所持しているのは木製で、父が切り出した木材の一部をもらって自身で制作したものだ。試行錯誤の末、多少重く飛距離は落ちるが威力のあるものが作れた。

 お気に入りとなった木製ブーメランだったが、さらに強化出来ないかと考えたリューナは、町で見つけた特殊な塗料を塗ることで、魔力を込められるブーメランを作成した。惜しむらくは攻撃魔術自体があまり得意でないため、追加効果程度となっていることだろうか。

 特製のそれで魔物退治している姿を父に目撃された際には多少驚かれたが、世間には武器に最初から魔術が込められたものもあることを教えてもらい、いずれは自分も製作しようと思った。そのためにはある程度強い魔物から得られる魔力結晶が必要となるため、市販のものを購入するにしても自分で魔物から入手するにしても、まだまだ先になることだろう。その頃には体格も大きくなり、そもそもブーメランを使用する必要が無くなっているかも知れないのだが、それならそれで問題ないと考えていた。


 羊たちは満足した様子で食事を終え、慣れた大人羊は自ら小屋にもどってくつろぎ始めていた。仔羊たちは朝から元気に遊びたいようで、集まってグルグルと走り回っている。楽しそうに遊ぶのをしばし眺めていたリューナだが、そろそろ自分も食事の時間である。


「ブラウ、みんなを小屋に戻すよ」


 リューナに寄り添うようにしてウトウトしていたブラウがのそりと起き上がり、仔羊たちの所へ向かった。ブラウが駆け寄ると仔羊たちは小走りに小屋の方へ向かってきた。リューナは杖を振ってリンリンと鈴を鳴らし、仔羊を小屋へ誘導する。

 全ての羊を誘導し終えると、小屋の入り口の柵を閉め、施錠した。


「それじゃあまた後で会おうね」


 その言葉を聞くとブラウは森へ駆け出す。牧羊犬のようなことをしてもらってはいるが、放し飼いにしている。それなりに戦闘力のあるブラウは、自分で餌を採っている。森には小動物や小型の魔物しかいないため、ブラウにとっては良い餌場だった。夜は羊小屋付近で寝ていて、何かあればリューナの住む家まで駆けつけてくれる頼れる相棒である。


 ブラウを見送りつつ帰路につく。自宅に辿り着くころには空腹感もかなりのもので、漂ってくるパンの焼ける良い匂いを嗅ぎつけたリューナは小走りになっていた。

 杖を定位置に戻し、ローブを脱ぎながら玄関に向かう。サッとローブの汚れを払うと扉を開ける。


「ただいまー」


 少し大きな声で言いながらローブを壁にかけ、再度外に出て手を洗う。

 さて、リューナが起きてから約2時間、ようやく朝ごはんの時間がやって来たのだった。


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