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チョメディー第三話〜やっとコメディー来たー!!


「メディー、大丈夫か?」


誰かに呼ばれている。

でも体中が痛くて動けない。


俺は一体どうしたんだっけ…?


う〜ん…ハッ、思い出した。


俺は人間界に行った時、余りのカッコ良さにファンの女の子複数に追っかけられ、抑え切れない欲望のあまり拉致されてしまったんだった。


ククク、まさか悪魔の俺でも気を失うハードプレイをされるなんて。


しかしこれからが本番だ。今度は逆に俺様がいじめてやるぜ♪


「あ、生きてた」


ふふ、メルトか。

……何ぃ〜!? メルト?


いけない。確かにメルトは良い奴だし美形だけど、俺達は男同士だぞ!?


ついにそっち系のドアもノックっすか?


だが…メルトが求める以上、致し方ない。


『メルト…』


「うわっ、気持ち悪っ!離せよ!アラーム!!」


もうその呪文ヤダ…。







「…で、目は覚めたか?」


『あぁ、おかげさまで』


妄想から覚めた俺は譲に能力を使われ気絶した事を思い出した。


「メディー、お前は無意識のうちに防御呪文を使っていたみたいだな。そのおかげで死ななかったんだぞ」


『俺?そんなの使った覚えないけど?』


「つまり、お前に潜在された魔力が守ってくれたんだろう。見ろ、このネックレス」


あ、それは俺が魔界に来た時、閻魔様からもらった魔后石のネックレス。


砕けてる?


「そうだ。魔后石が砕けるなんてありえない。あの破壊能力はかなり危険だ」


『じゃあどうする?』


「しばらく時間が必要だ」


メルトは成績優秀。その反面、負けず嫌い。


能力者と言っても、たかが人間。


そんな人間に何も抵抗できずに引き返してきたのが悔しいのだろうな。


『そんな難しく考えるなよ!閻魔様だって時間くれたんだからさ。今日は気晴らしに人間界で休息しようぜ?』


難易度が高い仕事程、任務達成までに時間はかなりもらえる。


今回の仕事は最大に危険なため、それなりの準備も必要なわけだ。


その達成期限まで二ヶ月。これだけあれば充分だろ。


「…いや、一刻も早く赤い目を…」


『焦る事はないさ。それに、俺も魔力を使い果たしたらしい。だから今日は骨休み。それに、仕事以外で人間界来たことないだろ?色々と案内してやるよ』


魔界の娯楽の一つとして、人間界へと行き来も自由とされている。


もちろん人間の姿に変身してだが。


普段、他の悪魔達はけっこう行っているみたいだが、メルトは休みの日も修業や勉強と、ヒッキー君なので、たまには楽しませてやるとしよう。うん、俺って優しい。


「じゃあ行くか」


『あいよ!』


メルトの呪文で俺達は人間の姿に。

尻尾や翼が消え、人間のパーツが組み込まれる。



ってな訳で人間界に到着。あぁ、懐かしいねこの感じ。


『人間界の楽しみって言ったら…これだ!』


「キャバレー天国?…人間界にも天国があるのか?いや、そんなはずは…」


もう、メルちゃんったら、分かってるく・せ・に☆


ハハハ、俺達は18歳だからいいのさ!


ムフフ、いやぁ〜読者の方も好きですなぁ〜。

まぁ俺が中の様子を絶妙なナレーションであなたを官能の世界に招待しようじゃないか!


まだ不思議がっているメルトを引きずり、店内に足を踏み入れると、さすが店名がキャバレー天国だけあって、女の子が天使の格好をしている。


「な…こんなにたくさん天使が!?」


これにはメルちゃんもビックリ!


「こいつら…まさか刺客か!」


それは違う! 誤解だメルト!!


「メディー、全力でいくぞ!」


『馬鹿、待て待て…。この娘達は皆人間で…』


「メディーの目もごまかすとはやるな、天使!だが俺は違う!」


もう何言っても駄目だこりゃ。まだメルトには早かったようだな。


…一応、皆に防御呪文唱えとこ…。


「くらえぇ!アラームラディー!」


よりによって爆発系統の最大の呪文使いやがった…。



〜ドバーーン〜


この日、一つの店が潰れた。俺の防御呪文のおかげで、幸い死者は出なかったが、多くのケガ人を出した。


「君ねぇ〜困るんだよ。爆弾なんて持ち込まれちゃ…」


そして俺とメルトは違う店の事務所に連れて来られた。


ここはホストクラブ。ま、こういう裏の店はどこも繋がってるって事だ。


しかも皆さん筋者の方達で…。これ俺人間のままだったらビビりまくってるよ今頃。


「これじゃあ、あの店も当分営業できないでしょ?君達には体で稼いでもらうからねぇ〜☆警察に連れてかれないだけ感謝しなよ!」


ケッ、何が感謝しろだ。警察に調べられたらヤバイのはあんたらだろうが。



ハァ…しかしまぁ、やっぱりこうなると思ったよ。


「まぁ君達、顔立ち良いからすぐお客さん付くよ。まずこれに着替えてな」


メルトはかなり美形だからな。下手したらNo.1になっちゃうんじゃないか?


あ、無理か。メルトは女の子と話すの嫌いなんだった。



とりあえず渡されたのに着替える。


はい、尻尾、翼、角となぜか悪魔スタイル。


「ホストクラブ地獄。ここでは皆には悪魔の格好してもらってるんだ…って君ら妙に似合うな!」


支配人もこれにはビックリだった。


だって…僕ら本物の悪魔ですしね。


ってか男がコスプレとは逆転の発想ですね。


だが、これが以外とヒットしている。店内は活気づいてるし客付きも良い。


「指名入りやしたー!明、亮、同時指名だよー!」


おっと、どうやら早速俺らに指名が入ったらしい。


あ、ちなみにメルトの人間界での名前はりょうにした。


さて、お客さんはどんな女性かな?


ピチピチギャルが良いなぁ〜。あと顔良し胸有りで個人的に貢いでくれて結婚したら子供は二人。


二人共女の子で将来パパと結婚する〜とか言ってくれるんだけど俺はクールだから、こらこら、離れなさいとか言うんだけど実は嬉しくて、でも仕事は不景気。リストラされ家族とも離れ離れ…


って、くだらない事考えてないで…まぁ、お客さんはババアだよね。


現実はこんなもんさ。


『ご…ご指名ありがとうございます』


「二人共若いのに頑張ってるから、指名しちゃったわ☆」


ぎゃー!

お前自分の顔よく見ろよ。猿だぜ猿! しかも語尾に☆付けるなよ、ってゆうかお前そろそろ星になれるよ。死期近いもん、あんた。


ってゆーか臭いねん!

この香水、何? マジ吐きそう…。悪魔の嗅覚は犬より良いんだからね!


メルトの奴も、もう何が何だか分からないって顔してるから俺が稼がなくちゃな…。


『お飲みものはいかがです?』


「いただくわ。何が良いのかしら?」


『この゛血の池ブランデー゛など、あなたにピッタリかと』


「あら、じゃあそれで」


よし、何とか一番高い飲み物を頼ませたぞ。

どうせホストクラブに来るババアなんて、ろくな事に金使わねぇ奴なんだからボッたくったっていいのさ!


「ど…どうぞ」


メルトが吐き気を抑え、ババアに飲み物を渡す。


「う〜ん…血の味」


てめぇ何知ったかこいてんの?

血は俺ら悪魔の飲み物!!


まぁ、その後適当に話を合わせているとボーイが俺のとこに来た。


「明、他から指名だ」

『は、はい。助かりました』


ボーイと耳打ちを交わすとババアに頭を下げ、席を起った。


「メディー…」


メルト…後はまかせた!



さて、俺を指名してくれた子は……ゲッ、マジ?


「こんばんわ、明くん☆」


…マジ? 舞じゃん。

なんでホストなんかに?


あ、舞とは幼なじみで、前作のチョメディーでは暴力女として活躍した。


そもそも、こいつはリョータって言う彼氏がいたのに。別れちゃったのかな?


ってか正体バレたらヤバイよな、これ。


「写真見たら私の幼なじみと似てたから指名したんだよね。名前も偶然、明って言うし…」


ニヤッと笑われた。もしやバレてる?


思い出のために記憶は消さないでくれなんて閻魔に頼むんじゃなかった…。


「もう、あんたはあいつと似てるから今日は付き合いなさい!」


バレてねぇーー!

舞は頭良いけど、馬鹿だからな。


『今日は飲みましょう!しかし、なぜあなたのような若い女性が一人で?』


「リョータったらねぇ!あいつが消えてからねぇ!元気なくなってねぇ!私の事構ってくれないのぉー!」


舞って泣き上戸だったんだ。ってか酒弱いなこいつ。


…リョータは前作で俺の喧嘩友達だった。


何かと突っ掛かってきては喧嘩してたなぁ。


「あいつは実は悪魔でしたぁ!ってそんなの納得いくかぁー!!…ウワーン」


舞…リョータ…ゴメンな。

急に消えちゃって。


『舞さん、元気出してよ!あいつって奴はきっと、いつも皆を見守ってますよ』


「うん…グスン」


『さ、あなたにこんな所は似合いませんよ。お勘定はいりませんから、リョータくんの所に行きなさい』


「…そうだよね、あいつは馬鹿だけど良い奴だったもん」


馬鹿は余計だ。


「ありがと。ご馳走様」


『はい。お客様お帰りでーす!』


…ふう、何とかバレなかったな。




(………あれ?なんで私の名前知ってたんだろう……まさか!…そんな訳ないか。あいつ…明は今頃魔界にいるんだもんね)



ーーーーーー。



「き…気持ち悪い」


うわ、メルトったらすっかりやつれてるよ。

しかも顔中にキスマーク。


頑張ったな、メルト!



「君達、お疲れ。今日は上がっていいよ。また明日な」


『はい、お疲れっす!』


よし、逃げよ。


「メディー…魔界に逃げるぞ」


メルトの呪文で一瞬で魔界に。帰って早々、メルトはベットに倒れ込んだ。余程辛かったのだろう。


『あれ…?メルト、ネックレスなんてしてたっけ?』


メルトは首に銀色のガーゴイルのデザインが入ったネックレスをぶら下げていた。


「あぁ、さっきのババアがくれたんだ。何でも、二千万で買ったって言ってた。それって凄いのか?」


うん、凄いよ。人間界の金銭感覚は分からないメルトには理解不能だろうけどな。


…にしても、本当にろくな事に使ってねぇな。


ネックレスが二千万?

悪徳商業に引っ掛かっちゃったんだな…。


「これでガーゴイルが召喚できるってババアが言ってた。いいもの貰ったぜ…」


いや、それ絶対ウソだよ?

人間はウソつきな生き物なんだよ!?


まぁ、とにかくもう寝るか。メルトはすでに安らかな顔で目を閉じてるし。




舞、リョータ…それから皆。俺は元気にやってるよ。


お前らに何かあったら、どこでも俺は飛んでいくからな…。

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