リプレイ第三話〜戦闘シーン一段落☆
まだ一時間も経っていないうちに、再び悪魔が現れた。
こっちは何の対策も練ってねぇってのに、ちっとは空気読め!
「フッ、譲君。空気は吸うものだよ」
うぜぇこいつ!
『俺の思考読まないで悪魔の思考読め!』
「そうよ!早く!」
気が付けば、悪魔が既に行動に移っていた。
「……読めない。僕、学校行ってなかったから、漢字読めないよぉ!」
馬鹿かこの展開はぁ!
え? 終わり? 俺達死ぬのか?
ーーーヒュン。
耳元を風が吹いた、その刹那。わずか一瞬にして間合いを詰められた。
二人の悪魔に挟まれて手を向けられている。
やばいやばいやばい…俺、絶対死ぬよこれ。
ふぅー、どうせ死ぬなら、最後に悪あがきでもしてみるか。
『待て!』
と言ってそれぞれに手を向けると二人は手を降ろした。
…………ホントに待ってくれたよこの悪魔達!
こりゃ案外、ハッタリが通用するかも。
『…使うぞ?俺の能力』
「貴様が能力に気付いていない事は知っている。無駄なあがきは辞めておけ」
もうこのメルトって人ヤダァ! 絶対コメディーに場違いだよ。
「じゃあ、目を頂くか…カマルト」
メディーって悪魔が呪文を唱えると死神が持ってそうな大きな鎌が出て来た。
それを大きく振りかぶりーの、Bボタン連打でパワーを貯めーの、はい勢い良く目ぇ目掛けて飛んできたぁ!
あんたコメディー向いてるけど、ノリで死にたくはねぇよ。
『うわぁ!来るなぁ!あっち行けぇ!』
ーーーードン。
硬く閉じた瞳を開けると、20メートル先の壁に、血を吹き出しながらめりこんでいるメディー。
あれ、死んでないよね?
俺、人殺しなんてしたくねぇよぉ!
ん? でもメディーは人じゃなくて悪魔だし。
ってか悪魔って死ぬとどうなるんだろう?
『最近セリフが少ない愛さん!お答えは?』
「は?んなもんアタシが知る訳ねぇじゃん」
グレた! 天使なのにグレてるよおい。
「ちっ…能力覚醒か」
ア然とした表情のメルトが呟いた。
能力覚醒…? これが能力か。俺の能力は攻撃系なのか。
『メルト、早く消えないとお前にも食らわすぞ』
「ちっ…」
メルトは素早くメディーを壁から引き抜くと、消えていった。
「もぉ!なんでメルトにも食らわせなかったのよ!殺せ殺せぇ〜!」
恐っ。グレ愛のキャラ恐いよ。
『あれは脅しだよ。奴らが消えてくれて良かったよ』
どうやら俺の能力の代償は体に負担が掛かるらしい。
腕がプルプル痙攣していやがる。
「まぁいいわ。しばらくは悪魔も来ないでしょ。とりあえずやる事は…」
愛が大樹を見る。
「あんた、勉強しなさい」
うん、やっぱりそうだよね。




