リプレイ第一話〜俺が…能力者?
なんでまた目が赤く…?
ちょ…落ち着くんだ。今日…いや、俺は今怒ってなんかいない。
朝の夢があったとは言え、特別な感情は出していない…。
…どうする、どうする俺!
「ーー譲君!」
ふいに後ろから声をかけられてビクついた心臓。
……この展開はあの時といっしょだな。
ここは俺の家なのに勝手に入ってこれるって言ったら…
「大変よ譲君…って、何よ、その…またお前か…みたいな顔は?」
やっぱりリューファ…いや、愛だったかな?
『いや、展開の流れが的中したからさ』
「もう…あら?ずいぶんとさっぱりした髪形にしたわね」
まぁ、一年前は目を隠すために髪伸ばしてた訳だし。
『ってそうだ!愛、なんか…俺の目、また赤くなっちゃったんだけど?』
「えぇ、事態が良くないわよ」
驚かない愛を見ると、どうやら俺の朝の様子は筒抜けらしいな。
「あなたは選ばれし者なのだぁ!」
バーン…という効果音が聞こえそうな程、人指し指を俺に向ける愛。…うわぁ。
「ちょ…なんかツッコミ入れてよ!」
だって…ねぇ?
そもそも愛、キャラ変わったの?
「天然美少女な設定よ」
設定とか言うなよ。
つか俺ってもっと暗い性格だった気が…。
「そんな事より、悪魔が譲君の目を狩りに来るわよ」
ほぉ〜、そりゃ大変だ。まぁ、赤い目はもともと殺さなきゃいけない存在だしな…………は?
『はぁ!?』
「反応遅いよ」
ちょっと待て、どういう意味だ?
愛がいるくらいだ。俺は天使や神の存在を信じるようになった。
つまりは悪魔だって実在するのだろう。
その悪魔が、俺を狙いに?
「なぜ赤い目を持つ者は殺されてきたのか…それを説明してあげる」
愛の話によると、赤い目には何かしらの〈能力〉があるらしい。
それは、いずれも人間離れした能力。
それを悪魔が欲しがるらしい。
それを恐れた天界は、今まで殺してきたとか…。
「私も狙われているの。だから天界を追い出されちゃった…」
愛も赤い目を持つ一人。
天界に悪魔が攻めて来られては堪らないとの事で人間界に来たらしい。
…ん? って事は…
「これから一緒に住むから☆ヨロシクねぇ〜」
えぇ〜…やっぱこの展開きましたか…。
「もっと喜びなさいよ、こんな可愛い子と一つ屋根の下で暮らせるんだから」
まぁ確かに愛は可愛い。
大きな瞳に腰まで伸びた艶やかでストレートな金髪。
小柄な体格で幼い顔立ちで羽がついてりゃ、そっち系の人に受けそうなもんだ。
「ちなみに私の能力は慈悲能力。怪我や傷口を塞ぐ事ができるの。譲君のはまだ謎。…それから、あの人の所にも行かなきゃ…」
愛が言ったあの人とはただ一人…三人目の赤い目を持つ人間、沢田 大樹だろう。