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リプレイ〜プロローグ


「ハッ、相変わらず弱ぇな譲」


『るせぇ…お前だって…足元フラフラじゃねぇか』


「お互い最後の一撃だな」


『あぁ、うおぉらぁ!』



「ハァハァ…やっぱ強いな」


『ヘヘ…さっき弱いって言ったじゃねぇか…ハァハァ』


「そうすりゃもっと燃えるかなぁって思ってよ?」


『確かにな…なぁ、ずっと…俺らこうして殴り合っててえな』


「……あぁ、約束…な」


『…フッ、次は決着つけるぜ』



ーーーーー。


「昨日をもって、○○君は転校されました」


『待てよ先生!俺に何も言わないでか?』


「貴様には何も言っていなかった。早く席に座りなさい!」


…ふざけんな…



『ふざけんなぁ!!!』


…ハッ、夢…か。



俺の目が赤くなる原因となった親友との突然の別れ。


あの頃の俺達は小学三年生だと言うのに、日々喧嘩に明け暮れ、先生や親の言う事も聞かない、今思えば本当に糞餓鬼だった。


何で今更あの頃の夢なんて見たんだろう…。


もう俺の目は赤くならないのに。


もう直ったんだ。これからは普通の高校三年生。


今までの分も青春を感じなければ…!




朝、俺は悪夢のせいでいつもより早く目が覚めた。


もうあれから一年経った。


俺は怒りを感じると目が赤くなってしまうという意味の分からない体質のせいで、人との関わりを避けてきた。


そんな時にエン・リューファという女の子…しかも天使と名乗る子が来た。



リューファが俺に与えてくれたものは、生まれ変わる事。


しかし、俺はその権利を否定。


人として生きる事を選ぶ。

同じく目が赤くなる大樹だいきと友達になり、さらには、リューファまでもが目が赤くなるという、何とも変わった奴ら同士が集まった。


目が赤くなるとは、充血しているとかではなく、黒い瞳の部分が赤くなるのだ。


その理由として、俺は怒り、リューファは悲しみ、大樹は恐怖感…と、人間の弱い感情が溢れると…と言うのが原因だった。


つまり、全く逆の感情を得る事で俺達は元通りになったのだ。


一度目が赤くなってから、友情などには無縁だったために、気付くのも遅れたというわけだ。


あれから一年、俺は怒っても目は赤くなる事はなかった。


だから友達にも言いたい事が言え、平和な日々を暮らしている。



しかし…朝、顔を洗いに洗面所の鏡を見て、俺は絶句した。




…嘘だろ…?




また瞳が赤くなってやがる…。

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