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Mr.NO-GOOD´EX  作者: 慎之介
EXtra
67/77

エピローグ②

へへっ……。


やらせね~よ。




やらせるもんか!!




****



これは、私しか知らない戦い。


そういえば、彼はよく一人で戦っていましたね。


特に、ある時期以降……。


それは、彼が小さな虚栄心や自尊心にこだわらない性格だったから。


彼は、名誉や名声よりも、平和を求める……。


そんな素晴らしい人間だったから。


神……私から渡された光を、彼は受け取りました。


それは、私だけが気が付けた情報。


真っ黒な未来の情報。


私ごと悪意を倒しても、世界は滅びる。


それも、最悪の手段で……。


それを知った彼は……。


世界に欠片として飛散しました。


ここで、いくつかの質問とその返答をしておきましょう。



彼はすべてを無に還したのに、なぜ破片を飛ばせた?


彼は何故みんなに最後の言葉を伝えた?


彼の本当のスキルって何?


彼にもっとも相応しい二つ名は?



この四つを、彼の戦いを見ながら回答させていただきます



一つ目は……。


そうですね……。


皆さんは、彼の技を覚えていますか?


その中でも、特に破壊神をして再現不可能と言わしめた……。


<ディメンションブレイカーアンリミテッド>を。


全ての力を限界まで使って放たれる、次元斬ディメンションブレイカー


破壊神でも、そこまでが限界です。


彼がそれを超えた理由は、すべてを放ちつつ魔力の吸収で回復する、彼だけの力があったからです。


剣を振りぬいたところで、すでに少しだけ動く力が回復しています。


それをも次元斬に追加したのが、あの技の正体でした。


まあ、限界の限界を超えるわけで……。


一度、本当に死にかけてしまいましたが……。


ここまで言えば、分かっていただけますよね?


そう、彼はあの無限という技の最中も回復と進化を続けていたのです。


私の本体と悪意を消滅させながら、魔力を吸収し私たちに勝った破片を世界に向けたのです。


理由はもちろん、最後の一片まで悪意と戦うため。


消滅の光として、悪意を殺すために世界に飛び散ったのです。



二つ目は、彼の言葉……。


これの答えは、彼に対するみんなの評価を覚えていれば、自ずとでます。


彼は優しく、強く、知能指数も低くはありませんが……。


お馬鹿さんなんです。


敵を倒し、必要なことをきっちりやり遂げます。


ただ、どうでもいい部分をしくじるんです。


本人に自覚意識がない事が……。


一番残念かもしれません。


試合に勝ち、勝負にも勝って……。


それでもなぜか負けている。


常勝無敗のルーザー(敗者)。


もしかすると、彼にはこの二つ名があっているかもしれませんね。


少し話がそれましたが、彼は世界に言葉を伝えるつもりはありませんでした。


ただ、純粋な最後の気持ちとして呟いたにすぎません。


破片から伝わるとは思っていなかったようです。


それが伝わっていることを……。


彼が知る事は一生ないかもしれません……。


最後の些細なミス。


それでも、私は伝わってよかったと思っています。


彼の最後の言葉は、確かにとても悲しい言葉です。


でも、それ以上に皆に勇気と暖かい気持ちを届ける言葉だったから。



三つ目ですね。


彼は多くのスキルを持ち合わせていました。


吸収、融合……料理というのもスキルの一つです。


先天的なものから、後天的なもの……。


どんな人間も、気が付き開花させられるかは運次第ですが、多く持ち合わせています。


幸か不幸か、彼はそれを人より多く花開かせました。


しかし、彼の一番稀有なスキルは、そのどれもありません。


彼を彼たらしめたもの……。


それは、彼の心です。


世界中に破片として飛び出した彼は……。


悪意と戦いました。


分子も粒子も関係なく、敵を滅ぼしていきます。


しかし、彼の最後の技とはいえ……。


数に圧倒的な差がありました。


比率で言えば……。


約一対五千万……。


勝率は、一厘以下。


絶望的な数字です。


普通ならば。


ただ、知っている人も多いかもしれませんが……。


五千万倍くらいの敵に、彼は負けません。


それよりも多く、勝ち目のない戦いを続けてきたのですから。


最初にぶつかった分子こそ、負けてしまいましたが……。


彼がそこで終わるはずありませんよね?


次にぶつかった時には、対消滅します。


次にぶつかった時には、五つの敵を消滅させて消えていきます。


その次は……。


彼は負けず嫌いなんです。


特に、誰かを守るときは……。


彼のその強い気持ちは、彼を強くします。


吸収や進化という力が働いていますが……。


それを引き起こさせているのは、その強い心です。


どんなに敵が強大で、絶望的な状況でも……。


彼はたどり着きます。


ゼロが小数点をこえて、いくら並んでいても、その先に一以上の数字があれば、全力で走ります。


そして、ついにはその数字に追いついてしまうのです。


泣いている人がいる限り……。


そして、不完全な私が作ったこの世界には……。


絶対が存在しません。


どんなに埋めても、九割九分九厘が十割になることはないんです。


だから、彼はたどり着く。


敵にしてみれば、勘弁してほしい事でしょう。


ほぼ負けることが考えられない戦いの敗北の確率が、気が付くと一割、二割とどんどん上がっていくのです。


五割をこえた時点で……。


彼に勝てる敵はもういないでしょう。


それが彼に隠された、本当の特性。


それを知っているのは、この世では梓だけでしょうか?


そして、誰も知らない最後の戦いは……。


言うまでもありませんね。


世界から、内包された発芽していない悪意以外は、本当に彼が一掃してしまいました。


それが世界を覆った黄金の雪の正体。


彼の愛は、本当に世界を包んでしまったんですね。


無茶苦茶です。


でも、最高の結果を出してくれます。



そんな彼が……。


世界から全く感じられません……。


どこかで生きているんじゃないか……。


そう思って、何度も探しましたがダメでした。



何度も……。



何度も……。



おっと!


最後の回答を、また言い損ねるところでした。


話が逸れるのは、私の悪い癖ですね。



彼に送る二つ名。


それは……。


彼の特性に、名前を付けないといけませんね。


あ!


いい名を思いつきました。


彼の特性は、絶対がないから生まれる絶対。


矛盾の塊のような特性です。


だから、彼がもっとも嫌う言葉を彼に送りましょう。



奇跡(仮)と……。



彼の結果は、何の原因も無い本当の奇跡とは違います。


因果の偶然が、必然として重なる奇跡であって、奇跡ではない事。


だから、彼はこの言葉を嫌っていましたが、こう命名するのが妥当でしょう。


嫌だ!


せめて、仮はなくせよ!


っと、彼が生きていれば言うかも知れません……。


出来れば、私もその言葉が聞きたい……。


ですが、彼はもういないので、勝手にこう名付けさせてもらいます。




彼の二つ名は……。




最強の奇跡(仮)。

END3:誰も知らない最終決戦

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