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Mr.NO-GOOD´EX  作者: 慎之介
第十二章:闇の深淵と神々編
40/77

一話

「俺……人間です」


「えっ!?」


そんな、ビックリされても俺のがビックリなんですけど……。


「じょ……冗談ですよね?」


「いいえ、ケフィ……人間です」


そんな、ポカーンとされてもな~。


「では、何故ここに居るのですか?」


「皆目、検討もつきません」


しばらく唸った後……。


「じゃあ! レイさんは特別な方なんですよね? うん! そうですよ! そうにきまってます!」


エルミラは、何か勝手に答えを出した。


どうすんの?


【まあ、敵には見えませんね】


『ここから逃げるにしても、確認してからでいいじゃろう』


そうしよっか~……。


てか……。


めんどくさい!


何だ!? この状況は!?


はぁ~……。


やってらんね~……。


「で? どうします?」


いやいや。


「エルミラが神様なんだから、決めればいいんじゃないの?」


「でも……」


何だ!?


この神様!?


【まあまあ、魔力もSランクあるか無いかですし】


「やっぱり、レイさん決めてくれませんか?」


うん!


可愛い!


その上目使いに……。


九十点!

【七十点!】


『はぁ~……』


お前!採点がからいよ!


【貴方が甘過ぎるんです!】


女の子は、対象年齢外および人の物じゃなければ、みんな可愛いんだ!


【相手は神様ですよ?】


関係あるか!


女の子はみんな、俺の物なの!


『若造も、チェリーの戯言に付き合うな』


おまっ!


【でも……ブレーキをかけないと、何時も酷い目に】


ちょ!


『それは否定せんが、話が進まん』


【はあ、すみません】


お前等!


「レイさん? どうします?」


ああ……。


え~と……。


「と……取り敢えず、あの建物に入ってみる? それ以外は……」


あれ~?


何ここ!?


大きな建物を、まる~く芝が生えた庭が囲い……。


さらに、光る壁で囲われています。


因みに空も……。


何? ここ?


『結界に囲まれている様じゃな』


て……事は、新しい世界?


【多分……】


「あの……行きますか?」


おっと。


まあ、入ってみよう。


『そうじゃな』


俺は、建物の入口に向かう……。


んだけど。


「エルミラ?」


「はい?」


「なんで、俺の服を掴んで付いて来てるの?」


普通、神様が先じゃね!?


「あの……慣れて無いもんで」


俺だって慣れて無いよ!


え~……。


百点!

【八十点!】


照れながら笑うエルミラに、文句が言えなかった俺は、少し大きな木の扉を開く。


****


鍵はかかってない。


内部も、アンティークな木造……。


漆喰の壁に、フローリング……。


廊下の先には、開けた場所が見える。


古い民家みたいだな。


でも……。


『かなりの魔力を感じるな』


悪意の魔力じゃないと思うけど……。


少なくてもSランクが……五十二。


いきなり襲ってくるのは、勘弁してくれよ?


てか、潜在的に洒落にならないのが何体かいる。


【気を抜けませんね】


ああ……。


「あの~……どうかしましたか?」


「魔力が高い奴らが、かなりいる。分かるだろ?」


「いえ……私、なんとなくしか分からなくて」


ええ~。


この娘、本当に神様?


「あ! でも、なんとなくは分かるんです!」


それ、意味無くね?


****


「えっ? レイさん?」


洒落にならない一体が、こっちに近づいてくる。


反射的に、エルミラを庇うように構える。


「待っていましたよ。さあ、こちらへ」


白髪で、眼鏡をかけたエロい格好のおねいさん……。


胸が……。


F!

【Fカップ!】


『馬鹿か!』


違いまぁぁす!


お前が馬鹿でぇぇす!


「あの、待ってくれてるみたいですよ?」


おねいさんは、俺達が付いて来ないので廊下で立ち止まり、こちらを見ている。


う~ん……。


付いていこっ!


【また、失敗しないといいんですが……】


『もう、わしは諦めた』


るんるんるん!


ビックリするくらい魔力と、胸が大きいなおねいさ~ん!


【『はぁ~……』】


「あれ? レイさん、何か嬉しそうですね」


「いいや」


おっと!


そうだった!


二兎を追うものは一兎を得ず!


エルミラも、捨てがたい!


てか、おねいさんは超クールって感じだし……。


エルミラで行くべきか?


いや……。


でも……。


とは言え……。


【本気で考え込まないでください】


『どっちも無理じゃ』


マジで!?


「あの方……主神クラスですよね?」


主神?


そう言えば、もう見慣れてきたけど……。


【S×五クラス?】


『いや、それより強いようじゃ』


クソ女神共よりは……弱いか。


まあ、人間からしたらどっちも化け物だけどね~。


てか、主神クラスの判別方法が分からん。


「まあ、かなり強いと思うよ」


「流石、ヴァルハラですね」


てか、ヴァルハラって何?


よく考えると、エルミラにもっと聞いておけばよかった……。


『アホな事ばかり、考えておるからじゃ』


だって~……。


****


「さあ、ここです。入ってください」


おねいさんは、俺達をこの建物には不釣り合いな鉄の扉の奥にある、円卓へと誘導してくれた。


おいおい……。


『Sランクだらけじゃな』


神様? が、六人います。


「そこに座ってください」


おねいさんの言うがままに、椅子へと座る。


なにこれ?


てか、俺はなんでここに居るの?


こいつら、いきなり襲いかかったりして来ないよね?


【多分……】


「み……皆さん強そうですね」


エルミラは弱そうだね。


てか、可愛いね~。


【もう! また失敗しますよ? 確かに、悪くはないですが……】


だから~!


お前! からすぎ!


可愛いじゃん!


超かわいいじゃん!


【また失敗しますよ? もし、敵が色仕掛けできたらどうするんです?】


色仕掛け~!?


そんなもん……。


え~……。


……。


俺……。


死ぬんじゃね?


『間違いなくな』


こえぇぇ!


そう考えると、女の子超こえぇぇ!


ガクブルだよ! ちくしょう!


「あの、レイさん?」


「ん? 何?」


「皆さんが、こちらを見ています」


なんだ?


人間が珍しいか?


ああ?


やんのか? ゴラァ!?


女神以外は、手をあげるぞ?


Sランクくらいなら、怖くないぞ? ああ?


タイマンすっか!?


おお!?


『やめろ、変態でしかもチンピラ』


なっ!?


【敵意はないじゃないですか】


そう言えば……。


何?


やっぱり、普通に気になる感じ!?


仕方がない……のか?


てか、あの青い髪の男……。


『魔眼、神眼の類いかのぉ?』


違う!


『なんじゃ? 他に……』


イケメン!


【駄目ですよ、賢者様】


『抜かった!』


ぬっ殺【駄目ですって】


だって!


格好いいもの!


きっと、俺に殺せって事だもの!


『落ちつけ! 異常者!』


違うわ! ボケ!


【でも、セリフだけ聞くと危ない人ですよ?】


ぬぅ~。


「ガイスト殿。何故ここに、人間が?」


ああ?


やんのか? クソイケメン!


そんな事、俺が聞きたいわ!


俺は、何でここに居るの?


てか、次は何に巻き込まれる感じ?


「あの方の眼は、魔眼でしょうか? レイさんの正体をすぐに見破るなんて、凄いですね」


エルミラ!


感心してどうするの?


「説明が必要か?」


「出来れば、お願いしたい。あの情報は、神にしか確認できないと思っていた」


何だ? やんのか? ゴラァ?


【落ちついて下さい】


「一応断っておくが、別にその人間に不満はない」


えっ?


無いの?


でも~、殴っ【駄目です】


「見る限り、かなり特殊な力を持っている様だし、魔力もかなり強い」


あれ?


褒めらりた?


でも~……イケメン殺『やめんか。精神破綻者』


「それは、私から説明します」


おねいさん?


「この人間を戦力に加えると決めたのは、我々の長。つまり、ここに居る全員の長になる方の判断です」


えっ?


今……戦力って……。


【言いましたね】


何?


俺は、また何かと戦うの?


戦うなら、悪意がいいんですが?


てか、俺の知らないと事でまた勝手に……。


『わし……もう、慣れてきた』


【私もです】


あ……実は俺も。


「異論は受け付けません。いいですね?」


「了解だ。すまなかった」


俺は、ちょっとあるんですけど……。


「よかったですね! レイさん」


よかったの?


えっ? 本当に?


「まずは、こちらの自己紹介を。私は、空と雷を司る神、メーヴェルです」


おねいさん……雷司ってるのか……。


『止めておけ、感電死するぞ』


おいおい!


俺は、まだ何も……。


『どうせ、胸に関する事じゃろうが』


野郎!


な……何故ばれた!?


【きっと、それしかないからですよ】


ほっほ~う。


俺、お前等嫌い……。


「私は、ガイスト。闇を司る力を持っている」


真っ黒い、全身鎧……。


主神? とかってクラスか?


『膨大な魔力を持っておる様じゃな』


中はどうなってるんだろ?


「まずは、ここに居る全員に最終確認です。敵は、強大です。生き残れる可能性は、ほぼありません」


ちょ!


洒落にならないんじゃね?


『どういう事じゃ?』


「言うなれば、ここに居る私も含めた全員が、捨て駒。そうある覚悟は出来ていますね?」


いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!


俺出来てないよ! そんなの!


【ちょっとまずいんじゃないですか?】


「もちろん、私自身も死ぬつもりは毛頭ありません。それに、皆さんをただ見殺しにする様な事もありません」


ちょ!


待って!


Fカップ姉さん!


「しかし、その覚悟なしに戦場に迎えば、他の仲間を殺す危険があります」


俺の挙げられた手は……。


スルー……。


って! おい!


「覚悟がない者は……。居ないようですね」


おるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


ここに!


無視すんな!


「では、これから皆さんは仲間です。共に尊重し、高めあえる関係を望みます」


おねいさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!


せめて、なんか反応してぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


「貴方は、全員の説明が終わってから個別に話をします」


最初に言えよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!


てか、すんごい物騒な事に巻き込まれたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


『ああ、もう。五月蝿い』


だってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!


【慣れましょう……】


いやじゃ! ボケ!


あれ?


【どうかしました?】


そう言えば……。


エルミラも、自分で決めてこんな危ない事を?


あれ~?


『確かに、似合わんな』


どう見ても、戦う力は弱そうだけど……。


あれ~?


「では、そちらの三人をガイストが、こちらの四人を私が担当します」


俺の担当? は、おねいさん。


鎧よりはましか。


「こちらは、元人間でチームを組みました。主に、他の班を援護します」


えっ?


エルミラって元人間なの?


いやいや! その前に!


「ちょっと待ってくれないか?」


「なんです?」


「戦う敵ってのはなんだ? それだけは聞いておかないと……」


「貴方が戦っていた……。いえ、戦っている魔力の事です」


「悪意?」


「そうとも呼ばれていますね」


あ~、はいはい。


【神様が、徒党を組んで対抗していたんですね】


『もしや、あの方と女神達も……』


この組織? に所属してるのかな?


【可能性はありますね】


てか、敵が悪意なら神様と共闘も、願ったりかなったりだ。


『そうじゃな』


「まずは、全員自己紹介をしましょうか。これからは、命をかけて戦う仲間ですからね」


まず、エルミラの隣に座っていた女が……。


あ、結構かわいい。


「私は、ローズ。湖を司る神! よろしくね!」


せまっ!


湖だけ?


【小規模な神様ですね】


『魔力だけなら、十分神じゃがな』


「あの……僕はヤニ」


さらに奥の糸目が立ち上がった。


うん! こいつは友達だ!


『贔屓目に見ても、イケメンとはいかんな』


うふふ!


友達!


「えと、草を司る神です」


せまっ!


こいつもか!


「あ! 私はエルミラです! 五穀豊穣を司ってます! 宜しくお願い致します」


何気に聞こえてくる向うの三人は……。


火に氷に風……。


かなり強そうじゃない?


あっ、皆の目が俺に……。


えっと……。


「え~……レイです。え~……」


俺は……。


何を司ってるんだ?


『主に変態じゃな』


【煩悩?】


はははっ……。


言えるか!


え~……。


「人間です」


【まあ、そうなりますよね】


これ以外思いつかない。


「では、まず……」


****


それから、くそったれの悪意共が世界をどんどん浸食している事を教えられた。


う~ん……。


【何かあったんでしょうね】


三人の顔が、悲しみなんだか怒りなんだかで……。


歪んで来ている。


『命をかけるほどの決意をさせる、何かか』


あの馬鹿達、荒らしまくってるからな。


恨んでる神様も、かなりいるだろうな。


多分、殺されたり吸収された神は、それ以上だろうけど。


『ふむ……』


「状況説明は、以上です。では、魔力と属性についてですが……」


神様は世界の意思を頂点に、何段階かにレベルが分かれている。


『万能なタイプもおるが、八割が属性を限定されておる』


神様共通で、出来る事もある。


【一度……多分コアの事ですかね? 決められた魔力は、そうそうは変化しない】


魔力を取り込む訓練をすれば、その制限を超えられる。


『ただ、かなりの訓練が必要』


うん!


これってさ!


『まあ……』


【ですね……】


神様の話じゃねぇぇぇぇか!


俺! 全く関係ないよ!


コア無いんだから、魔力取り込んでも強くならねぇぇよ!


俺って、この話聞かなくていいじゃん!


だって、関係ないもん!


『わしのコアは人工物じゃからな。制限を超える事は出来ん』


はいはい!


期待してませんよ!


てか、神様同士の常識なんてさっぱり分かんねぇぇぇぇぇぇぇぇ!


【主神からの恩恵? 属性の中和? わ……分からないですね】


あぁぁぁぁぁ!


面白くねぇぇぇぇぇ!


なんだよ! これ!


さっぱりじゃん!


えっ!?


俺は、何でここに居ないといけないの?


『そうじゃな』


【個別に説明してくれるそうですしね】


俺もういいじゃん!


帰っていいよね?


いいんだよね?


なんで、こんな訳の分からない話を、何時間も聞かないといけないの?


これ、なんて拷問?


あ~……。


やってらんね~……。

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