プロローグ
「ああ、疲れたなあ……」
すでに高校二年の4月も過ぎゴールデンウィークも過ぎてしまった今日、ふとそんな言葉が溢れてしまう。
俺は16歳現在進行系で人生に絶望中のボーイだ。
俺の通う高校は正真正銘自称進学校。
毎日教師に勉強を強制され、朝の小テストに合格できなければ放課後は居残り・・・
おまけに気の合う友達もいない。
え?こんな学校生活の中、どうやって俺が生き抜いてきたかって?・。
よくぞ聞いてくれた、俺の人生の原動力は、異世界転生系アニメを見ることだ。
異世界転生系アニメは素晴らしい。
主人公は大抵俺のようないけ好かない男。
それで、大体は女神とかに力をもらって異世界で無双して現世での憂さ晴らしをするのだ。
それを見ていて気持ちは良いが、実は俺は努力で成り上がるほうが好きなのだ。
だが、それを差し置いて最も重要なのはヒロインだ。
俺が思うに、なろう作品の面白さはヒロインの可愛さに比例すると考える
これには俺のルーティーンが密接に結びついている。
俺のルーティーンが知りたいって?よくぞ聞いてくれた。
学校を行くフリしてサボってマックで異世界転生系アニメ1クールを見たあとに二郎ラーメン神山神崩町店で平太ストレート麺を食べ、帰って我がホームで見たアニメのヒロインの二次創作をpixivで探しながら自家発電をするのが俺のルーティーンだ。
「はあ、今日も電車はキツキツだなあ……」
帰りの満員電車に鬱屈しながら思う、今日は何の異世界転生系アニメを見ようかな。
そんな事を考えていたら、ある異変に気づいた。
(あれ、なんか、この電車速すぎじゃね??)
(もしかして俺、死ぬ??これ異世界転生チャンス!?)
「ちょっとまって!俺、転生するときはトラックに轢かれるって決めてんのに!!!うわあああああああああああああああああ」
電車はカーブに耐えきれず脱線し、俺の乗っていた号車はトマトのように潰れてしまった。
(なにもみえないな……)
そもそも、異世界なんて創作の中の夢物語でしかない。
死亡したら俺の魂は消える、ただそれだけだ。
だんだんと思考ができなくなっていくのを感じる。
まるで麻酔で眠らされるかのように。
「俺の人生これで終わりかよ…せめて童貞は卒業したかったなぁ……」




