神様、このギフト、返品しても良いですか?
そう、この世界ではギフトと呼ばれる神様からの贈り物を賜って現世に産まれ落ちると
なっている。
そのギフトの種類は多岐に渡っていた。
「俺は聖剣のギフトを賜ったからな。」
と聖騎士団の団長は、木製の大ジョッキでエールのような酒を豪快に飲み干して上機嫌だ。
「うらやましいなぁ、団長、俺なんて火魔法のギフトでしたが、初級ファイアーボールしか
撃てませんよ。」
と団員の一人は自分のギフトを愚痴った。
「団長、俺なんて弓スキルでしたが、あまりに地味だったので、15才になるまでは、無能力者
扱いで酷かったんてすから。」
ともう一人の団員も自分のギフトを愚痴りながら、大ジョッキのエールを空にした。
「そう言うなよー、こいつらにもジョッキおかわりくれるかー。」
と団長はいつもの仕事終わりの飲み会で、ニコニコと団員たちの愚痴を聞いて
コミュニケーションを上手に取っていた。
「ところで、カイトのやつは今日も来てないのか?」
と団長は眉間にシワを寄せながら長テーブルのみんなを見回した。
「ええ、団長、カイトの世界では飲み会は、パワハラ?とかモラハラ?とか何とかで
参加しないのが当たり前とか言ってて。」
とカイトと共に任務に当たっていた者が申し訳なさそうに答えた。
「そうか、良くわからんが、異世界ではそうなんだろう。放っといてやれ。」
と理解のある団長だった。
俺はカイト。
この世界が嫌いだ。
ギフトは前世の記憶を持って産まれてきたことだけだ。
これが輪廻転生ってやつなのか?
何か違う気がするのだが。
一般的にはギフトを賜って産まれるので、適性に合致した仕事がすんなりと見つかって、
生きることに違和感など微塵も感じずにノーストレスで生きてるやつらばかりだ。
それに引き換え、俺なんて何の職業的メリットも見つからず、聖騎士団しか行く所がなかった。
だが、前世の知識を活かしてこれまで生きて来られた事には多少感謝している。
「神様どうして、俺に魔法と剣の世界で役立つギフトをくれないんだよ。
ギフトが前世の記憶だけって何の冗談だよ。」
とカイトは心の底から愚痴った。
「前世の記憶なんて、容姿のことでいじめられて引きこもり、
彼女居ない歴イコール年齢の悲惨な人生だったのに、
転生してもまた底辺。」
と更に神様に恨みを吐いた。
「神様後生だから次は俺にTUEEE力を下さい。」
実際、何周目なのだ。
カイトがそれらを甘受し、愚痴ではなく、困難を乗り越えるまでカルマは続くのだろうか。
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