表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
税理士事務所は、今日も平常運転です(ただし所長以外)  作者: ひまわり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/100

正義の迷い子

(顧問先・応接室にて)


社長「あーそれね?あの“手数料的なもの”でさ。渡さんといかんのよ、いろいろあって…」


椎名「“いろいろ”って…あの、どこに渡すんですか?」


社長「そこはまあ、大人の事情ってことで。所長さんに前に話したら、“雑費”でって言われてたんだけど…今回は“買掛金”で処理してってさ。」


椎名「(心の声)買掛金に“渡し物”?やばくない?てか所長、何やってんすか…」



(事務所に戻るなり)


椎名「ただいま。……ねえ、ちょっとこれ聞いてよ。」


森「なにその顔。なんか口に入れちゃいけないもの食べた人みたいな顔してんぞ。」


椎名「いやマジで…顧問先で、得体の知れない支払いが“買掛金”で処理されててさ。“渡さなきゃいけない手数料”的なやつ。」


栄田「手数料“的”? 的ってなに?名詞で濁してる時点でもうダメじゃん。」


椎名「しかもそれ、所長が“今回は買掛金でいこう”って言ったらしい。」


森「どこへいった所長の正義…」


栄田「この前、職員には“帳簿は税理士の鏡!汚すな!”って言ってたじゃないの!」


椎名「あれ、たぶん“お前らは”っていう前提が隠れてたんだよ。」


森「自分は別枠ってやつか…税理士界のフリーパスかよ。」


栄田「それもう“税理士免許”じゃなくて“免罪符”よ。」


椎名「俺ら、正義の味方ごっこしてる場合じゃなかったな…」


森「ごっこじゃない!正義はある!たぶん…たぶん…」


(所長、部屋からひょっこり)


所長「おう、おつかれ。で、あの買掛の件はうまく処理できたか?」


椎名「……所長、正義はどうされたんですか?」


所長「正義?そんなもんはな、使い方が大事なんじゃ!」


栄田「…あれですか?レンジでチンする系の“とっておき”?」


森「違うだろ。“賞味期限切れてる系”だろ。」


所長「なんか言ったか!?」


椎名「いえ、“正義の味方、時々休業中”ってだけです。」

所長の指示は、どんな法律よりも強くて、

どんな倫理よりもふんわりしている。

今日も“何か”が帳簿の中で静かに泳いでいます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ