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所長の花粉症

(春先、午前中の事務所。外回りから帰ってきた所長が鼻をすすりながら登場)


所長「ん〜〜、なんか……ムズムズするなぁ……。クシュンッ! クシュンッ!!」


森「あれ、所長。風邪っすか?」


栄田「いや、花粉ですよ。飛び始めてますから。所長、花粉症じゃないですか?」


所長「花粉? ふん、俺はそんな繊細な体じゃない!」


椎名(書類めくりながら)「いや、そのくしゃみの迫力、繊細どころじゃないんですけど…」


所長「昔から言われてるんだ、俺のくしゃみは“魂が入ってる”ってな。気合いが違うんだよ!」


森「どんな評価ですかそれ!? 気合いでどうにかなるやつじゃないですよ花粉って!」


所長(鼻をすすりつつ、急に止まる)「……ん? あ゛……ッ」


椎名「あ、やばい! 来るぞ!!」


所長「ハーーーーックショーーーーーーン!!!!」


(ビチャッ……!!)


(沈黙。そして視線が一点に集まる)


栄田「……今、飛びましたよね?」


森「飛びましたね。完全に……椎名くんの机に」


椎名(立ち上がって)「しかも! この上の紙、見てこれ、決算書! お客さんに今から渡すやつぅぅぅ!!」


所長(堂々と)「すまんな! つい出ちまったわ!でもな、これが俺のスタイルだ」


森「どのスタイル!? “飛沫ぶちまけ系税理士”!?」


栄田「“くしゃみ込みで経費ですか?”って聞かれますよ!? お客さんに!」


椎名「所長、ちょっとは反省してくださいよ!!」


所長「反省?するわけないだろ。これが俺なんだよ。昭和からの男ってのはな、くしゃみも全力なんだよ!」


森「いや、令和なんで!! 昭和ぶつけないでください今に!!」


栄田「その昭和、菌まみれですよ! 持ち帰らないで!!」


椎名(机を拭きながら)「もうこの机、除菌しても“記憶”が残ってる……」


森「心の傷が深すぎる…」


所長(あくび交じりに)「まあまあ、そんなに騒ぐな。春の風物詩ってやつよ」


全員「迷惑以外の何者でもないです!!!!」


(ファブリーズと消毒液が飛び交う春の午後――)

なんでも気合い!で済ませる所長。

理不尽な所長にいつも振り回される職員たち…

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