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298円の贅沢と、198円の哲学

森「よーし、コーヒー買ってきたぞー。香りもいいし、朝にぴったりだと思うよ」


椎名「朝からいい匂いじゃん。」


栄田「ええやん、どこの?……あ、これ、この前スーパーで特売してたやつやん。うちでも買ったわ〜」


森「そう、それそれ。1袋300円しなかったし、いい感じでしょ?」


(そこへ、所長がコーヒーの香りに釣られてやってくる)


所長「おいおい、なんかえらい高級な匂いしてるが、まさか経費で…?」


森「いえ、ちゃんと特売のやつですって。税込み298円!」


所長「298円!?そんなん、高いわ!うちのコーヒーなんて198円で十分や!」


椎名「え…198円って、もう泥水レベルじゃ…」


栄田(小声で)「あれやろ、ラベルに“コーヒー風味飲料”って書いてるやつやん…」


森「ちょ、所長…これ以上安いのって、もはや“豆”ですらないですよ?」


所長「贅沢は敵や!税理士事務所は質素倹約が基本やぞ!」


椎名「(ぼそっ)いや、昼間っからゴルフ行ってる人に言われたくないですけど…」


森「じゃあ次からは…えーと、泥水を煮詰めて提供しましょうか」


栄田「(吹き出しながら)森さん、それでも所長、“高い!”言いそうやなぁ〜」


所長「む…なんか今、失礼なこと言われた気がするぞ」


椎名「いえいえ、所長の金銭感覚が斬新だなぁって、尊敬の声です。ね、みんな?」


森&栄田「(棒読みで)もちろんです」


(所長、満足げにうなずきつつ去っていく)


森「……で、次の豆どうする?」


椎名「いっそ、道端に落ちてたドングリでも煎るか…」


栄田「あ、それ案外いけるかも。所長、気づかんかもしれん」



コーヒーの値段に厳しく、味には案外ゆるい所長。

次は“どんぐりブレンド”が事務所に登場する日も近いかもしれません――。

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