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プロローグ 雨にも負けるし風にも負ける

 俺は完璧な超人になんてなれやしない。


 雨が降れば濡れる面倒を考えて気分は落ち込むし、つよい風が吹けば歩みは止まる。いくら健康でも、雪が降るほどの寒さには耐えられないし夏の暑さには降伏してクーラーのスイッチを入れてしまう。


 日々をどれだけ冷静に送ろうと努力をしてみたところで、欲求や怒りといった一時的な衝動に支配され後悔したことだって何度もある。


 目に見えるすべての人を救うなんて傲慢なことだ。

 目の前にいるひとりを幸せにすることはおろか、自分の機嫌をとることすら難しいというのに。

 ただ誰かのためだけに生きる心無い機械になれたらどれだけ良かったか。


 だが、俺はそうはなれない。誰かに話しかけられれば心は躍り、そこにある言葉一つで簡単に嬉しくなったり悲しくなったりしてしまうのだから。


 ただ、叶わないと諦めつつも願うことだけはやめられなかったのだ。


――そういう者に私はなりたい、と。



 【Q】「なぜ遅刻したのですか?」

 【A】「電車のなかでおばあちゃんから「降りる駅が分からない」と話しかけられて丁寧に教えてあげたのですが、その後も不安そうな顔をしていたので本当に降りられるか心配になりおばあちゃんが降りる駅までこっそり後をつけたからです」

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