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ぽえむ
世界と心が切り離されてしまったから
風も木々も私を喩えてくれなくなった
朝焼けのまぶしさに目を細めて
次第にいつもの温度へと変わっていく現実に
アスファルトのざらつきに触れて抗う
ーーー
切なさは
私の心がまだ死んでいないことを証明してくれている
悲しみは
私の心がまだ腐っていないことを教えてくれている
苦しみは
私の心がまだ壊れていないことを
壊れることができないことを
私につきつけているのだ
ーーー
否定した己の弱さが
醜さが
人々を見る私の目を濁らせ
憎しみを醸している
だから私たちは
永遠にわかり合うことなどできないのだ
ーーー
いつか死ななくてはならないことではなく
今この瞬間に死ぬことができないということが
私たちの生をどれだけ苦しめてきたことだろうか
そしてこの残酷な一瞬は永遠となり
痛みと不幸だけが不死をあらわす
望まぬ不死だけが現実となり
望んだ幸福だけが妄執となる
それが生命の定めであると
定めたのもまた生命なのだろう




