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揺れ
金縛りにあったとき
胸にあったのは恐怖と
かすかな期待
これが何か現実を超越した体験であるという
いずれなくなってしまう脆い誤解
安心と失望はいつも同時にやってくる
いつも勝つのは安心の方で
顔を洗って歯を磨いて
朝食を食べてシャワーを浴びる
そんな朝のルーティンの中に
小さな喜びを覚えるのだ
昼には疲れ果て
夕方には寂しくなる
夜には絶望して
何に絶望していたのか忘れて眠る
人間には等しく価値があるという人間に
その人間が一番醜いと思う人間を目の前において
その人間の価値がお前の価値だと言ってやりたい
自分の言ったことに責任を持つことなんて誰にもできないのに
誰もが誰かに望んでいる
死んでしまえばいいのに
嫌になるたびにそう思う
あらゆる生命に対して
でもいつも望まれているのは絶滅ではなくて循環
結局は繰り返されることを願っているんだ
苦しいことも悲しいことも
嬉しいことも楽しいことも
幸せも不幸も
それが永遠であって欲しいと思うところに
永遠ではありえない生命の本質が宿っているのだろうか




