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人生のすべて

 水たまりに映った君の顔は少し沈んでいて

 もう少し元気出せよって言って笑ったんだ


 汗の雫がアスファルトを濡らした

 電信柱からカラスが飛び立った

 すれ違った女子中学生の笑い声

 地域猫が道路を横切って去って

 下り坂をゆっくり走っていくんだ


 天気予報は晴れ

 じゃんけんは勝った

 血液型占いは大吉

 ラッキーアイテムの梅干しは弁当に入れた

 それなのに気分が晴れないのはなんで


 予報外れの雨の中踊り狂うのは

 想像上の私

 窓ガラスについた雨粒を眺めて

 君はどうしてそんなにつまらなそうな顔をしているんだい


 先行きの見えない世界情勢

 ニュースを眺めて私は

 こんな世界滅んでしまえばいいなんて思う

 こんな日常壊れてしまえなんて

 誰かが苦労して並べたドミノを倒してみたいなんて

 そんな幼稚な利己性をもって


 私の人生は少しずつ終わっていく

 貴重な時間はわけもなく失われていく

 なくしてしまった大切な思い出

 なんてものはなにひとつなく

 得たものはなくなくしたものもなく

 人生は少しずつ終わっていくんだ


 頑張ってきただなんて

 誰がわかるというのだろう

 評価して査定して

 それにふさわしい対価が払われて

 誰がそんな世界で生きていたいと思うのだろう

 すべては偶然が左右する

 明日になれば私は宇宙に漂っている

 そんなことはありえなくて

 世界はすべて中間にあって

 私はすべて中間にある


 私の人生は


 なくしてしまったんだなんもかんもすべて

 もはやそれがなんだったかなんて何も覚えてない

 薄れていく理性 萎れていく本能

 濁っていく眼 衰えていく足腰

 老いが私に追い付いていく

 そうして私は理解するんだ


 これが人生のすべてだって

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