廃墟
黄色い澱。
心の奥で膿んでいる。
約束は果たされなかった。
復讐は果たされなかった。
世界は灰色のまま進行していく。
新生児は誰も世界が灰色になったことを知らない。
世界は灰色になってしまった。
二度と戻らない。
老いていく体と心。
乾燥した皮膚。
規則性のない斑点。
骸骨を思わせる骨ばった手足。
ひとつひとつの動作に苦労するようになって。
もはや精神でさえも精神を見捨てようとする始末。
老いて呆けて。
生きているのか死んでいるのかわからなくなって。
世界はかつて謎で満ちていた。
それを解き明かすことに夢中になって。
解き明かすことができるということが最大の希望であり行動の動機だった。
すべてが解き明かされた今生きることの意味はすべて失われた。
世界のどこにももう僕らを期待させてくれるものは残っていない。
すべては味わい尽くされて。
この世界は不毛な反復で満たされるようになった。
何もかもが似たり寄ったりで。
どこかで見たような内容で。
奇をてらうのも新しさを謳うのも。
全部が嘘だと知っていながら。
その嘘で自らを囲うのだ。
皆本当はわかっている。
この世界にもう謎などどこにも残っていない。
ただ灰色の残骸だけが無数に積み上げられているだけ。
虚構と狂気の混合物。
人々が希望と呼んでいたものの残りかす。




