表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
29/77

廃墟

 黄色い澱。

 心の奥で膿んでいる。


 約束は果たされなかった。

 復讐は果たされなかった。


 世界は灰色のまま進行していく。

 新生児は誰も世界が灰色になったことを知らない。

 世界は灰色になってしまった。

 二度と戻らない。


 老いていく体と心。

 乾燥した皮膚。

 規則性のない斑点。

 骸骨を思わせる骨ばった手足。

 ひとつひとつの動作に苦労するようになって。

 もはや精神でさえも精神を見捨てようとする始末。

 老いて呆けて。

 生きているのか死んでいるのかわからなくなって。


 世界はかつて謎で満ちていた。

 それを解き明かすことに夢中になって。

 解き明かすことができるということが最大の希望であり行動の動機だった。

 すべてが解き明かされた今生きることの意味はすべて失われた。

 世界のどこにももう僕らを期待させてくれるものは残っていない。

 すべては味わい尽くされて。

 この世界は不毛な反復で満たされるようになった。

 何もかもが似たり寄ったりで。

 どこかで見たような内容で。


 奇をてらうのも新しさを謳うのも。

 全部が嘘だと知っていながら。

 その嘘で自らを囲うのだ。

 皆本当はわかっている。

 この世界にもう謎などどこにも残っていない。

 ただ灰色の残骸だけが無数に積み上げられているだけ。

 虚構と狂気の混合物。

 人々が希望と呼んでいたものの残りかす。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ