表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

空色朝顔が、描く流星の宙に

作者: 逢乃 雫

夕立ちのあとの


街に樹々の翠は


いっそう鮮やかに



やがて夜を越えて


東雲色(しののめいろ)の朝陽が


さしこむ光の中で



ひと葉ひと葉に


ちりばめられていく


輝きはまるで



太陽の宝石


ペリドットのように




水溜まりに映る


碧い世界もまた



駆けていく白夏の


日々を結晶のように


瞳と空へと


反射しながら



小径に咲いた


空色朝顔の花は



どこまでも青く


そして遥かに


空色の星のように




星のふりゆく夜を


想い描きながら



たなびく雲の彼方


北の夜空から



ペルセウス座は


この惑星(ほし)を見つめて



流れゆく季節の


(そら)に幾つもの


流星を纏いながら



彗星が駆ける


その道に沿って



雲に覆われる時も


光はきっとその先に



天馬と宙を駆ける


ペルセウスのように




星のふりゆく夜に


想いを馳せながら



八月は葉月


言の葉の月



ひと葉ひと葉に


心をちりばめて



人もまた


星のように時と


季節を流れて



時に陽射しは


灼けつくように熱く



時に風が頬に


吹きつけることも


あるけれど



今日という日は


明日の未来へ


続く道の入り口



明日という日は


今日描く未来の


大切な一日目だから



幾光年の宙の彼方に


雲のその彼方に



降り注ぐ星を


想い描きながら




そしてこの地上に


今日も降り注ぐ


幾つもの言の葉たち



天の川が流れる


森の翠のように



時に光となり


時にあたたかく

 


時と空をも


きっと越えて




空色朝顔が咲く


空へと向かって



この世界に


今日も幾つもの


言の葉という流星が、


ふりゆく中で




















ペリドットは8月の誕生石で、オリーブのような色とされ、夜も明るく「太陽の石」「夜のエメラルド」とも呼ばれます。石言葉は「幸福」「希望」です。オリーブは初夏に白い花が咲いた後に実がなり、花言葉は「平和」です。


ペルセウス座は、神話の英雄に由来し、北の空に浮かびます。地球に接近する彗星の軌道に沿って、毎年8月にこの星座から放射状に流星群がみられ、今年は8月13日前後がピークとされます。


朝顔には「明日もさわやかに」という花言葉があり、澄んだ青空のような空色朝顔は、8月頃から咲き始め、海外では「空色の星」とも呼ばれます。


季節の花や星、宝石をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 8月のイメージがいい意味でガラリと変わりました。 まさしく... >言の葉の月 ですね。とても素敵で凄いです(発想が) >明日という日は >今日描く未来の >大切な一日目だから この部分…
[一言]  ペルセウス。  ヘラクレスとならんで、ギリシャ神話の英雄ですね。  天馬と流星。勇ましいイメージ。  でも、この言葉で、ほかのことを考えてしまうのはお約束(汗)  言の葉の笹舟を、天の…
[良い点] 八月→葉月→言の葉→ちりばめられた心→降りそそぐ流星 との繋がりと展開が印象的でした。 東雲色の朝陽を浴びるひと葉ひと葉の翠の輝きを宝石のペリドットの色に例えている色彩描写の感性や語彙力が…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ