俺と君の出会い3
読んでいただきありがとうございます!!
後書きに、根岸Gさんが描いてくださった、ヒロインの弓宮三結のイラストを載せさせてもらってます!
「なぁ隆司。これはどういう事なのかを、俺に親切丁寧に、とても分かりやすく説明してくれないか?」
俺はトレーを持って立った状態で、椅子に座ってニヤニヤしてながら見上げで来た隆司を、睨むように見下ろしてた。
「いやぁ~、俺も必死に頑張ったんだぜ? そして、やっとの思いでたどり着いたって言うのに、なんで俺を睨みつけるんだ?」
わざとらしく大袈裟な言い訳をする隆司をよそ目に、俺はその向かいに座ってる2人に視線を向けた。そう、先程俺が文句を言った2人組……三結と舞子だったのだ。
俺が隆司に話しかけた時、2人はそれぞれ別々の反応をしていた。三結は、ポカーンとした感じで、あまり理解していない様子だった。対して舞子の方は、俺が隆司に話しかけた時に、隆司の横の空席を見て、滅茶苦茶嫌そうな顔をして、俺を睨みつけてきた。いや、俺をそんなに睨んでも、俺の責任じゃないからな?
「今更他の席を探せって言われても、さすがの俺も困るぜ?と言うか、2人は俺達がここに座ったらダメなのか?」
隆司はそう言って、俺を説得しながら、目の前の2人にも聞いていた。隆司に、そう言われた舞子が、返答に困っていたら、さっきまで、ボーッと俺たちのやり取りを見ていた三結が口を開いた。
「私は、ゆっくりお礼がしたかったので、別に構いませんよ?」
「ちょっと三結!?さっきの事怒ってないの!?」
「え?舞子怒ってたの?」
「あんな言い方されたら、怒るでしょ普通!」
キョトンと首を傾げ、質問を質問で返す三結に対して、なぜ怒ってないのか分からない舞子、俺からしたら、正直どっちでもいい言い合いだった。それより座っていいのか悪いのか教えて欲しいんだよな……
「なぁ、さっきの話はもう良いだろ? それより時間勿体ないから、座っていいのかダメなのか教えてくれ」
「別に、私達に決める権利とか無いんだし、好きにしたらいいんじゃん!」
そう言って舞子は、唐揚げを一口で食べた。俺は、隆司の横の席に座って、カレーを食べ始めた。
食べてたら、ニヤニヤしながら隆司が俺を見てきてたから、気持ち悪くて思わず声をかけようとしたら、話しかけるタイミングを奪うように、隆司が目の前の2人に話しかけた。
「ねぇ、あの時なんでコイツがBセットの内容教えれたか知ってるか?」
「何いきなり? そんなの興味無いんだけど?」
隆司がそう言うと、口の中の唐揚げを飲み込んで、ムッとしてる舞子は、その少しつり上がった瞳で隆司を睨みつけた。
「まぁまぁ、これを聞いたら少しは怒りも収まるかもよ?」
「……言いたいならさっさと言いなよ? アイツの言葉使うのは嫌だけど、時間の無駄だし」
舞子は、隆司のKYに近い態度に呆れ、渋々と言った感じで話を聞くことにしたみたいで、それを確認した隆司は、一瞬俺の方を見て直ぐにまた舞子の方を向いて、ニヤっと笑みを浮かべ、少し笑いながら話した。
「コ、コイツ自分が……ぷぷっ、自分が食べたいから覚えてただけなんだぜ?……あはは!だからもしBセットじゃ無かったら、コイツも知らなかったんだぜ? やべ、思い出したらまた笑えてきた!」
そう説明しながら笑いだした隆司に呆気に取られ、目を見開いてポカーンと舞子は隆司を見ていた。暫くして俺が食べてるカレーと隆司に、何度か視線を巡らせた後、気が付いた舞子は吹き出すように笑いだした。
「ぶっ! あはは、なにそれ? ヤバい可笑しすぎ! あんだけ偉そうな事言っといて、結局自分が食べれてないじゃん!あはは!」
「そう! そうなんだよ! しかも俺の前のヤツが最後のBセット注文して、目の前で売り切れ受けてやんの!」
「タイミング良すぎ! って事は、最後のAセットは……」
「そう! 俺が頼んで終わり!」
「やば! 完璧すぎるし!
俺と、三結をそっちのけに2人は、俺の残念な話を楽しそうに話し合って笑いあってた。俺はため息をついてカレーを食べた。それを見て、さらに2人は何を勘違いしたのか、残念そうと笑いだした。
まぁ、俺自身そこまでショックは受けてないから別にいいんだけどな。
「ちょっと! 2人とも流石に笑いすぎだよ!」
俺を含め、3人とも意外な顔をして、声の発した方に自然と顔が向いた。そう、いきなり怒り出したのは、さっきまで無言だった三結だったのだ。
「舞子もいくら怒ってたからって、笑い過ぎ! この人が可哀想でしょ? それに貴方も、友達なのにそんな事で笑うなんて酷いんじゃないのかな?」
「「はい……すみません」」
「それに、貴方もよ!!」
「え? 俺も?」
舞子と隆司は、三結に注意されしょんぼりした感じで、素直に謝ってきた。それを見た三結は、今度は俺に指をさして怒ってきた。 え? 俺も怒られるのか?
「なんで、こんなに笑われてるのに怒らないの? 普通すごく怒ると思うけど?」
「いや、別に事実だし、そもそも俺自身そんなに怒ってないしな」
「なんで、怒ってないのかな? 普通怒るとところだよ?」
「怒るとかそもそも、食べれなかったのが残念だったなと思ったぐらいだったし」
「そうなのね……そうだ!」
俺の言葉を聞いて、なにか思いついた三結は、持ってる箸をクルリと上下回転させ、自分のサーモンフライを一つ摘み俺の皿に乗せてきた。
「コレでもう大丈夫だね♪」
そう言って、突然の三結の行動に呆気に取られた俺達とは違い、1人何度が頷き嬉しそうに納得してた。
俺達は暫く俺のライスの上に鎮座してるサーモンフライを見つめ、思わず叫んだ。
「「「はあぁぁぁぁぁ!?」」」