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ブロンズナイト物語 序章   作者: ふるたく
8/8

新たなる旅立ち

暗闇の中


「はあ、はあ、はあ」


王女様に手を引かれて走っている。


不思議な、状況。


、、、さっき、大臣と父がいた部屋から変な音が聞こえた。


何の音かは分かっている。


いや、分かりたくない。


「はあ、はあ、はあ」


息が切れる、、、


今日は、ずっと何かから逃げている気分だ。


一体いつまで、、、


前方に仄かに明かりが見える。


出口だ。


ここを抜けたら、、、、!


「はあっ、はあっ、はあっ」


助かる、、、、!!


「はあっ、はあっ」


、、、とでも、



言うのだろうか?



「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ」



死者の谷、、、の、崖の割れ目から外に出たところで、


キシャアアアアアア


うごめく爬虫類


腹を空かせて


鋭い牙の脇から唾液が垂れ落ちる


無数の


小型の竜に、囲まれているのが直ぐに分かった。


--------------------------------------------------------


崖の裂け目から外に出ると、目の前、、、、いや、


目に映る、あらゆるところに、(ずっと俺を追いかけ回していた)小型の竜が溢れていた、、、、。



ニタニタとヤツらは笑いを隠していない


しかし、何かを待つように、俺たちを直ぐには襲ってこなかった。


何かを、待つように、、、、、


コツ、コツ、コツ


背中の方から足音が聞こえる。


思わず振り向き一歩後退する。


しかし逃げ場は無い。


王女は俺の手をぎゅっと握っている。


汗が滲み出て、握った手が解けそうだった。


×××「全く、手間をかけさせてくれる」


コツ、コツ、コツ



大臣「人間ふぜいが」


大臣の手には、、、、×××が、ぶら下がっている。


大臣「しかし、まあ、この瞬間を待っていた。感無量というやつだよ、人間でいうところのな。」


それ手にあるのは、、、俺の、、、



大臣「しかも、この場所。ふふ、良いじゃないか。」


父の、、、、、、



大臣「我が王の眠る地で即座に復活の儀を行えるのだから」


父の、、、、、、


大臣「いやいや、長かったよ。人間のフリをして生きるのは。」



頭だった、、、、、、



パブロ「、、、、、、、、」



ああああああああああ



頭が、、、割れそうだ、、、、




王女「パブロ、全ては大臣の仕組んだ事だったのです」



手に持つ短剣を握りしめる



王女「私の父を殺し、パブロの父君、城のみんなを、殺したのは貴方の父君ではない。」


髪が逆立つような感覚を感じる



王女「大臣のフリをした、この者なのです!!!!」



血で赤に染まった短剣が


大臣「くくくくくあはははははアヒャヒャヒャひゃ」


あいつを殺せと、叫んでいる




大臣「クハハハハ、いやいや、これらを考えたのは俺じゃない。俺が喰った人間の脳ミソから出たアイディアさ。」



俺から全てを奪ったコイツらを



大臣「オレ達はこんな回りくどい事はしない」



ミナゴロシにシロと、サケンデイル


髪が逆立つ。俺の視界が赤く染まる。


全て殺せる。


この短剣ならば


その確信がある。


兄を、母を、父を、みんなを殺した


お前たちを


ミナゴロシに、、、


王女「待って、パブロ」


王女が俺の手を強く握り


王女「大丈夫。逃げ切れるから、、、」


王女「だから、"変わらない"で、、、、」


、、、、不思議と、、、

視界の赤が薄れて行く。


王女の、言葉が、俺の頭を冷やしてゆく。


大臣「さあ、ショウタイムだ」


大臣「皆の者!コイツらを食い尽くせ!!!」


大臣「骨の一本残すなよ!!!」


大臣「我らが王の、


大臣「復活の時だ!!!」


大臣の号令と共に周囲にいる百匹ほどの小型の竜が襲いかかってくる!


絶対的な死が迫ってくる。


死ぬ訳にはいかない!


血に染まった短剣を改めて強く握りしめーーー


王女「来て!ハク!」


、、、しめようとした時


王女の呼び声に周囲の空気が震えた


大気が揺れている


大臣「な、なに、、、!?」


大臣が何かを感じたようだ。


間髪入れて、頭上に太陽のような光が現れる


、、、そして


先程の白竜が、その姿を現した


大臣「ま、まさかあああああ」


大臣が驚愕している


大臣「何故、お前があああああ」


白竜は大臣の方を軽く一瞥すると


尻尾で俺たちをすくい上げ、背中に乗せ


空に飛び立った


大臣「いかん!逃がすな!殺せ!!」


小型の竜達はその号令が出るやいなやの超スピードでパブロ達に襲い掛かる!


、、、、が。


白竜の空に飛び立つスピードは小型の竜によりも数倍早かった。


小型の竜に達は空を飛べず、ただ上空の白竜を恨めしそうに見ているしか出来なかった。


大臣「くそおおおおおおおおお」


大臣「く、くそおおおお、何故だ!何故邪魔をする!!裏切り者め!!!」


大臣「一千年前のあの時も、そして今回も!!!」


大臣「何故だ!我ら一族を滅ぼす裏切り者めええええええ」


大臣「許せん、許さんぞおおおおお」


大臣「我らが王が復活した暁には、必ず、お前を、八つ裂きにしてやるぞおおおおおおおおお」



大臣の声が谷に鳴り響く。


その全てを呪い殺せそうな瞳孔は、さらに、大臣の決意を強く固めたのであった、、、、、、


--------------------------------------------------------

上空、、、、

白竜の背中に乗って王女と共にいる。


不思議な状況だった。



パブロ「どういう事なの、これは、、?」


王女「この竜、ハクは、私達の味方です。」


王女「その短剣、天叢雲剣を持つものを守ってくれます。」


パブロ「この剣、、、を?」


王女「そうです。正確には、その神剣が悪しき者に渡らぬよう、私達に手助けしてくれるのです。」


パブロ「、、、、、。」


王女「それは精霊の力を集められる神剣」

王女「太古の昔、竜との戦いの中で人が勝利した原因となった神器なのです。」

王女「人を勝利に導いた剣ですが、同時に、精霊が竜にかけた封印を解く鍵でもあるのです」


パブロ「封印、、、?そういえば、大臣が王の復活とか、言ってた」


王女「そうです。彼らの目的は、彼らの王の復活、、、いえ、それは通過点に過ぎません。彼らの真の目的は太古の時代の復活なのです。」


王女「太古の竜は死滅したわけではなく、この地下で封印されているだけなのです。」


王女「あの谷は彼らが封印されてる場所への入り口なのです。」


王女「三年前、彼らの中に自力で封印を解いた者が確認されました。それが明るみに出てから、準備をしてきました。」


王女「しかし、足りなかった」


王女「神剣を使う資格のあった貴方の父君は私を守ろうとして大きな傷を負い、動かなくなってしまった。」


王女「私では神剣を扱えないから、ハクは私を助ける事はしない。」


王女「だから貴方が来るまで、動けなかった。」


王女「、、、精霊の力を集めなくてはいけません」


王女「彼らはこの一千年の時の中で復活の時を探って来ました。」


王女「彼らの力は強大過ぎる」


王女「一千年前と同じ様に、精霊の力を借りなくては勝機はありません。」


王女「貴方の父君は貴方に託しました。」


王女「何故なら貴方は神剣を使った勇者の直系の家系なのです。」



王女「私からもお願いします。私達を、世界を、救って下さい、、、」


王女「もう貴方にしか、出来ないのです。貴方に断られてしまうと、困ってしまいます。」


王女「そうですね。少し、休みましょう。」


王女「疲れたでしょうから、、、、」


王女「目覚めた時に、もう一度返事を聞かせて下さい。」


王女「では、おやすみなさい。パブロ」


王女「また、明日、、、、、」

、、、、、、、、、、

、、、、、、、、

、、、、、

、、、

、、、余程疲れていたのだろう。


直ぐに俺の意識は暗闇の中に落ちていった。


そしてここに来た2日前の事を夢に見ていた。


騎士を辞め、紙芝居作家になろうとしていたのに、、、それで勘当されて、家を追い出されてしまうかもと怯えていたんだ、俺は。


でも、それは、起こらなかった。


それが起こっていた方が、良かった。


何倍も、良かった。



だって、そうならなかったから、


全てを失った。


この短い時間に。


全てを、、、、


残ったのは、父から渡されたこの一振りの短剣のみ、、、、。




もう、、、疲れた、、、、、



次に目覚めた時、これら全てが夢の中であってくれるといいな。


そう、そうに決まっている。


これは、全て、悪い夢なんだ


ふふ、、、、、


早く。目覚めたいな。


また父さんに怒られ、兄さんと比べられ、母さんに紙芝居を見つけられて泣かれるんだ。


そんな、生活に、戻りたい、、、、


うう、、、ぅぅ、、、、、、、


うあああああああああああああああ


あああああああああああああああああああああああああああああああああああ

、、、、、、、、、、、、、、、。


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