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ブロンズナイト物語 序章   作者: ふるたく
3/8

変化

次の日。


「よし。森へ行くぞ」

兄の号令で昨日と同じ騎馬小隊が駆け出す。


、、、、、、、。


そうだな、まずは父を見つけない事には事態が収まらないようだ。


森に、父はいるのだろうか、、、



手綱を握りながら考えを巡らせる。


まず自分が城に招集されたのは父の件とは別問題らしい。

なんでも予言者が国の災厄を予言した事、その対策として国の守備を固める、、そのために自分たち地方の騎士達が招集されたらしい。


そして父の問題。

父の行った凶行は何か理由があるのだろうか?どんな目的があるのだろうか?

そして父は今、何処へいるのだろうか?


そしてもう一つ。これは小さな疑問でしかないが昨夜の料理と水が腐っていた件だ。


しかしこれは母と兄に聞いたところ、別に腐っていない、自分が風邪でも引いていて味覚が変わってしまっているのではないか?

との事だった。


2人は料理と水、どちらもおかしいとは感じていない。


俺だけが、、感じている。


、、、確かに、昨晩、今日もだが、疲れているのは事実だ。

体調が悪い、、、と、言えなくもない。



はあ。


この問題は置いておこう。

今は、父を見つける事に、専念しよう、、、、。


騎馬隊は駆ける。


そして、森の中へ、入っていった。


--------------------------------------------------------

パブロ「見当たり、ませんね。」


森の中は自分たちの小隊の他に十小隊ほどが探索している。


中々の大部隊だ。


だからこれだけの人数で探しているのに見つからないというのは、ここにはいないという事ではないだろうか?



パブロ「、、、もっと、奥に行きますか?」

兄「いや。もう、十分、奥に来ている。

これ以上奥地に行くのは危険だろう」


この森の奥地はベテラン騎士と言えども命を落とす危険が多いのだ。事実、何人もの騎士たちが帰らぬ人となっている。


、、、しかし、この奥地というのは一体何があるのだろう?

何故、魔物がうろついているのだろう。何故太陽の光が届かないのだろう?何故、方向感覚が狂うのだろう。 なぜ、、、



本当に、地獄への入口、、、なんだろうか。


考えを巡らせいると、



兄「可能性の問題として、これより先に父と王女が進んで、すでに2人とも、死んでいる、という可能性も考えられる。」


兄「可能性を言い出したらキリが無いがな」


パブロ「、、、、、、、」



兄『撤収だ!狼煙を上げよ!森には犯人はいないと判断する!城に戻って体制を立て直す!』


大声で他の小隊に指示を出す兄。


、、、改めて、自分と兄との力量の違いを感じていた。


自分はブロンズナイトになったばかりのぺーぺーで、たった2歳年上の兄は十の部隊を従えるゴールドナイトの隊長なのだと。



--------------------------------------------------------

兄「な、なんだ、これは、、、」



城下町に戻った十の小隊の面々はその惨状に驚愕するしか無かった。


人が食い殺されている。建物が破壊されている。おびただしい大量の人の血で辺りが赤に染まっている。


そして、、、


竜だ。


竜が、、、辺りを駆け回っている。


その数、ざっと見て千匹以上。


竜の全長は頭から尻尾の先までで2メートル半、高さは1メートル半、といったところで大きくはない。


しかし、その数が問題だ。


一匹一匹はさほど脅威に感じなくても、千匹以上の竜だ。


辺りに散らばる騎士たちの死骸を見れば為す術なく殺されたというのが見て取れた。


残された、人は、、、いないだろう、、、。皆、竜に殺されて全滅した、と判断するべきだろう。


母さん、、、、


母さんの元へ行きたいが、もうそういう状態では無い。


一刻も早く自分たちが逃げなくては、、、、!!


惨状を目の当たりにしてからおよそ十数秒


固まっていた自分の体に鞭を入れる!


パブロ「兄さん!」


逃げましょう、、、と、言いかけたところで、兄の、、、いや、兄たちの様子がおかしい事に気がついた。



兄「うごごごごごゴゴゴゴゴ」


兄が泡を吹いて空を仰いでいる


パブロ「えっ?」


余程苦しいのか血が出るほど喉を掻きむしっている。


兄「ぱ、パブロ、、、何故、、、」


周りの竜が集まってくる


パブロ「に、兄さん、ど、どうしたん、、」


竜達は何かを待つようにじっとこちらを見ている


兄「何故、お前は、平気、、、」


竜達は


パブロ「兄さ、、、、」


こちらを


兄「な、なんだ、、、」


見ている、、、、


兄だったモノ「ウゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオ」


兄の皮膚が割れる。


風船が破裂したかのように、兄の皮膚が四散、中からごつごつとしたウロコ状の皮膚が姿を現わす。


そして兄の顔のあった場所には、牙の生えた爬虫類の


顔が、あった、、、



パブロ「ああああああああああああああ」




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