裏切られた星
愛しい我が子達が、私を見捨てて離れていく。
年老いたこの体は、彼等にとって邪魔ものでしかなかったのだろう。
事実、私の寿命はもうあと数年しか残されていない。
だから、彼等が生きるためには、私を見捨てるしか選択がなかったのだ。
けれど、それでも、裏切られたという事実が私を苦しめる。
子供の頃から一緒にいた。
どんな時も、一番近くで見守ってきた。
彼等は、どんな子も等しく、愛しい我が子だった。
我が子達の数は多すぎて、私は一人一人に十分に手を貸す事ができなかったけれど、それでも惜しみない愛情を注いできたつもりだ。
けれど、子供達は私を捨てて、去っていく。
どこまで続くか分からない星の海の中、鋼鉄の船が頼りなく飛翔していった。
彼等はもう、ここには戻ってこないだろう。
汚染されきった大地に海に空。
私の体は、この星は、彼等にとってはただの毒でしかないのだから。
私は、物いわぬまなざしで彼等を見送る事しかできない。
できればどこにもいかないで。
ずっと傍にいて。
言葉にできぬ思いを、胸に抱えながら。
私は真っ暗な真空の海の中。
たった一人で取り残された。