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お題シリーズ2

裏切られた星

作者: リィズ・ブランディシュカ



 愛しい我が子達が、私を見捨てて離れていく。

 年老いたこの体は、彼等にとって邪魔ものでしかなかったのだろう。

 事実、私の寿命はもうあと数年しか残されていない。


 だから、彼等が生きるためには、私を見捨てるしか選択がなかったのだ。


 けれど、それでも、裏切られたという事実が私を苦しめる。


 子供の頃から一緒にいた。


 どんな時も、一番近くで見守ってきた。


 彼等は、どんな子も等しく、愛しい我が子だった。

 我が子達の数は多すぎて、私は一人一人に十分に手を貸す事ができなかったけれど、それでも惜しみない愛情を注いできたつもりだ。


 けれど、子供達は私を捨てて、去っていく。


 どこまで続くか分からない星の海の中、鋼鉄の船が頼りなく飛翔していった。


 彼等はもう、ここには戻ってこないだろう。


 汚染されきった大地に海に空。


 私の体は、この星は、彼等にとってはただの毒でしかないのだから。


 私は、物いわぬまなざしで彼等を見送る事しかできない。


 できればどこにもいかないで。

 ずっと傍にいて。


 言葉にできぬ思いを、胸に抱えながら。


 私は真っ暗な真空の海の中。

 たった一人で取り残された。



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