二ページ目 帰り道
「さーって!今日は何について書こうかな〜」
日記を始めた当初は書きたい事が沢山あってウズウズとするものだろう。それは鷹坂 太陽であっても変わらない。
「んーっと、そうだ!アレについて書こうっと」
◇
多忙を極める俺様の下校は常にダッシュ。
当たり前だよな!才能ある俺の1秒は凡人とは価値が違うのだから!無駄にするのは人類への冒涜と言っても過言じゃないな!
でも今日は走ってる最中に呼び止められたんだ。なんでも、学校の近所に住んでる田中の爺さんの犬が消えたらしいんだ。
ようは、探すのを手伝ってほしいんだと。まったく仕方ないよな、犬に逃げられるなんて相当だぜ。半ば呆れてた俺様だったが協力する事にしたんだ。
なんたって、俺様の才能は差別なく人々に行使すると決めてしまってるからな。だから手伝わない訳にはいかないんだ!
田中の爺さんが言うには消えたのはつい5分程前らしい。丁度俺が学校を出た頃あいだ。下校中の俺が見かけてないとなると、犬はきっと学校とは対角側の山の方にいったんだろう。
犬とはいえ田中の爺さんとこのは相当歳を重ねてるからそんな遠くにはいってないはずだ!俺は急いで山に向かった。
田中の爺さんや近所の人総出で 1時間以上探したけど、影はおろか目撃情報すら入ってこなかった。
でもな、この時点で俺は犬がどこか見当がついたんだ!
確信をもって田中の爺さんに告げる。爺さんは驚いて確認してくるとだけ残して行ってしまった。
数分後に戻ってきた爺さんは俺にお礼を言って無事解決となったわけだ!
今回の犬の失踪は知力に優れた俺様だからこそ発見する事が出来たんだ!
なんたって、誰も思いつかないような場所に犬はいたんだ。
それは…田中の爺さんの家‼︎
そう、最初から犬は外に逃げてなんていないんだ。おそらく日差しがキツくなってテラスの下にでも潜ってたんだろうな。
この俺様の名推理は見事的中したんだ!いやぁ〜まさか、前提として犬の失踪が間違ってるなんて誰も気付かないよな!俺様以外は!
今日も溢れる才能を存分に発揮できた1日だったぜ!
◇
「–––っと、こんなもんだろ!今見返しても流石だよなぁ俺様」
自分の活躍を思い出して頬を垂れる太陽だった。