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お前は、ヒロインではなくビッチです!  作者: もっけさん
幼少期
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アルベルト主催のパーティー3

「このプリンという食べ物を店で出せば一財を築けそうですね」

「ルーク殿は、先見の明がありますね。しかし、実際は材料を揃えるだけで結構なコストがかかります。実際に店で提供するとなれば、値段も高額になってしまいますよ」

 アルベルトの切り返しに、ルークは少し感心した様子で頷いている。

「アルベルト様は、プリンの材料や作り方を知っておられるのですか?」

「材料は知っていますが、作り方は流石に教えて頂けませんでした。王族専用の一番口が堅い料理人のみ知ってますよ」

「材料費だけで計算した上での発言だったのですね」

「そうです。材料費や人件費などを入れると、王族と言えど毎日食べるのは難しいです。コナルド商会は、主に輸入品を扱っているそうですね。やはり、魔道具が多いのでしょうか?」

 アルベルトの質問に、ルークは最近入荷した物を自慢気に話した。

「食品から日用品まで幅広く扱ってますが、やはりナリス国で生産された魔道具が一番人気がありますね」

「ルーク様は、ナリスに行かれたことがありますの?」

「はい。父の仕事でついて行ったことがあります」

 その言葉に、私の目がギラッと光った。

「魔力を動力とした鉄道があると噂では聞いているのですが、乗られたことはありまして?」

「ああ、魔鉄道のことですね。動力は、厳密には魔石だと伺ってます。馬車よりも早く移動が出来るので、快適でしたよ。ただ、乗車するには結構なお金を払う必要があり毎回利用するのは躊躇います」

 ルークは、敢えて『躊躇う』と言っていることから利用出来るだけの財力があるが、高額の乗車料を払ってまで魔鉄道を使うメリットがないと判断したようだ。

 そこは、商人として甘い判断だ。

「魔鉄道、一度は乗ってみたいものですね」

「そうですね。馬車よりも早く移動できる物があるのであれば、是非乗ってみたいものです。買い付けた魔道具にも興味がそそられますね」

「わたくしも興味がありますわ」

 ナリスの技術を盗めるなら盗んで、自国で再現したい。

 パクリ上等だ! 丸っとパクって改良を重ねて原型を留めなければパクリではない。

「では、お時間を頂ければコナルド商会を案内致します」

 ルークから招待の言葉を引き出せたことに、テーブルの下で拳を握り小さくガッツポーズを取る。

 その言葉を待っていた。

「是非、リリアンと一緒に伺わせて下さい。コナルド商会やルーク殿にも都合があるでしょうから、伺う日程は後程決めましょう」

「はい、宜しくお願いします」

 ルークの好感度は上がったが、後一人ロンギヌスの様子を伺うとつまらなそうな顔をしている。

 ロンギヌスに話題を振ろうとしたら、一人の令嬢が私のパーティーバッグに目を止めた。

「リリアン様、そのバッグはどちらで購入されたのですか?」

 キャロル・チャイルド。

 チャイルド侯爵の次女だ。

 保守派の派閥だが、やはり綺麗な物や珍しい物は目を引くのだろう。

 食いついてくれてありがとう。

 私は、皆に見える様にバッグを円卓の上に置いた。

 私の商会を宣伝するチャンス到来!

「キャロル様、こちらはパーティー用のバッグですわ。ヘリオト商会にオーダーメイドで作って頂いたの」

「布についているのは、全て宝石ですわよね? お高かったのではありませんか?」

「相応にとだけ申し上げますわ」

「中には何が入っているのですか?」

 キャロルの言葉は、その場にいる全員の興味を表しているかのようで私は笑みを浮かべてバッグから中身を取り出した。

 ハンカチ、口紅、懐中時計、万年筆、カードケース。どれも誕生花をモチーフにした凝った一品である。

「この箱は何ですの?」

「カードケースですわ。挨拶をした時にお配りしたカードの半分が、仕舞ってありますの。盗難防止用の術式が組まれてますので、窃盗や紛失に遭っても手元に戻ってきますの」

「そう言えば、アングロサクソン領では国内中の技術者が集まって色んな発明をされているそうですね」

「はい。技術に対する保証しっかり行っておりますので、皆様が安心して積極的に研究や開発に勤しんでくれてますの。魔道具に関しては、ナリス国ほど技術が進歩しておりません。コナルド商会で輸入されている魔道具の技術を盗んで、自国で良品の魔道具を流通させたいですわ」

 私の希望としては、テレビやスマホを再現することだ。

 私としては、娯楽を増やし腐女子量産をしたい。

 オタクのパワーと経済活動は、前世でもサブカルチャーとして世界に認識されたくらいだ。

 必ずどこかで需要はあるはず!

「ヘリオト商会と言えば、数年前に出来て急成長している商会ですね。写真なるものが出来たお陰で、自画像を描くために、長時間画家の前で座りっぱなしということが無くなって助かってますの」

「結婚相談所も手がけていらっしゃるとか。自分の好みや理想の結婚相手を探してくれるとメイド達の間で評判になってましたわ」

 広げていたバッグの中身を仕舞っていると、話題は私の商会に移り変わっている。

 女子はドレスや化粧・装飾品を中心に、男子はボードゲームや本を中心に盛り上がっている。

「貴族専用の商会ではないのが残念ですわ」

「あら、最近はカタログなる物を定期購読できるようになってますのよ。お母様が、取り寄せているのを視ましたわ。私と同じ年の少女が、モデルとして様々なドレスを着ている絵が描かれてましたわ。とても可愛らしい方で、一体どこのどなたなのでしょう」

 頬を赤らめながらうっとりしている令嬢たちには悪いが、今目の前に座っている王子がそうだとは口が裂けても言えない。

「それは、是非見てみたいものですね」

「殿下、そのカタログには女性の下着なども載っておりますのでいけません」

 アルベルトがモデルと知ったら面倒臭いことになるので、慌てて止める。

 女性下着と聞いて、ロンギヌスを除いた男どもの顔が赤くなった。

 男女混合のお茶会は、こういう時はやり辛いと感じる。

 メイドの一人が、アルベルトに近寄ってパーティー終了のお知らせをしている。

「殿下、そろそろお時間が迫っております」

 アルベルトは、ポケットから懐中時計を取り出し時間を確認している。

 横からチラ見すると、もう二時間近く経っていた。

「パーティーの時間も終わります。皆様、会場へご移動下さい」

 アルベルトの言葉に、皆席を立ち大人組の会場に戻る。

 私とアルベルトは、一番最後に席を立ち彼らから距離を取って歩く。

「ロンギヌス様とは、最後まで話す機会が出来ませんでしたね」

「ああ、話題を振ろうとしたがプリンやお前のカバンで話題を持って行かれてしまったからな」

「土産話にはなったでしょう。ロンギヌス様自身、このパーティーに乗り気ではなかったように見受けられます。始終つまらなさそうにしてましたので」

「アルク家との繋がりは、どうするつもりだ?」

「どうとでもしますよ。用意したお土産で釣れると良いのですが、なるようになりますよ」

 取り込みたい家に対して、少し特別なお土産を用意してある。

 お土産の外観は全く同じだが、中身は私の商会で扱っている品を入れておいた。

 家によって、女性優位か男性優位か異なるのでフリックに下調べして貰ったから大丈夫だろう。

「殿下、最後のお仕事ですわ。笑顔でお見送りですわよ」

「分かってる」

「終わったら、我が家直伝のリラクゼーション全身エステが待ってます」

「頑張る」

 アルベルトは、その言葉に疲れた顔を隠しつつ参列者全員にお土産を渡して見送っていた。

 こうして、アルベルト主催のパーティーは無事に終えることが出来た。

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