巨乳は憧れが詰まってる
ウンディーネが我が家に居ついて、料理が格段に美味しくなりました!!
流石、水の大精霊様様だ!
水が違うだけで料理の味が違う。
良水が手に入るなら、もっと美味い酒や化粧品が作れるだろう。
ノームは迷惑そうにしてはいるが、太った頃よりは態度は軟化している。
「ウンディーネが居るだけで、こうも水が美味しくなるとはねぇ」
「水の精霊がいる時点で、その場所は水が豊富になる。ましてや、私ほどになれば水害は起こらないし何時だって美味しい水が飲めるのよ」
フフンとドヤァな顔をするウンディーネに少しイラッとしたが、はいはいと聞き流しておく。
「で、大精霊なんだから色々やることあるんじゃないの?」
「まあね。あんたが提案した魔法を使わない世界から魔力を貰おうって話を相談している最中だから、それまでは待機中なのよ。大方、あんたの案が通りそうだけども。もしそうなったら、召喚以外で手に入れられる方法を探ったりする必要もあるから忙しくなると思うわ」
「ふーん」
「言い出しっぺのあんたに知恵を貰おうと他の精霊も押しかけるんじゃない?」
クワァッと大きな欠伸をして、後ろ足でガリガリと首をかいている元ブタ猫もといウンディーネ。
相変わらず目つきは悪いが、最近はそれを逆手に取って屋敷の住人に愛想を振りまいている。
しかし、触らせない辺りが猫っぽい。
「人を頼らないでよ。私、忙しいんだから」
半分は自分のせいなのだが、これ以上厄介ごとはごめんだと断るが、ウンディーネはお構いなしに喋る喋る。
「格下認定している相手に気を使うわけないでしょう」
「ほう」
思わず私の声が低くなった。
ウンディーネは、慌てて付け加えて言った。
「それは、私やノーム以外の精霊って事よ! まあ、大体あんたの事は他の精霊たちの間でも噂になっているからね。何もしなくても、あっちから接触してくるわよ」
「それはそれで迷惑」
ズバッと切り捨てたら、ウンディーネは大きな溜息を吐いた。
「あんた、不敬って言葉知らないの? 私達精霊は、世界のバランサーなのよ」
「それはノームに聞いた。神様もいるとも聞いてる。でもさ、それって私に何の関係があるの? 敬って欲しいなら、相応の見返りと態度を要求する」
後百年程度で滅ぶ世界のバランサーと言われても、正直全然ありがたみが無い。
それどころか、滅びを目前にお前ら何してたと突っ込みたい。
「本当に人間って強欲ね! 何でノームは、あんたなんかと契約したのか理解に苦しむわ」
「知らんがな。ウンディーネ、居候するなら賃料代わりに水出してよね! それで新商品を作るんだから」
私の言葉にウンディーネは眉を顰めたが、出ていく気配がないので答えは是なのだろう。
「まだ何か作る気なの?」
「うん。豊胸用のウォーターパッド」
スライムの粘液が、ゴムの素材に近いことが分かり密かに開発をしていた偽乳パッドだ!
スライムの粘液をそのまま使えば良いじゃないかと言われると、時間が経つにつれ固くなるので乳パッドには不向きと判断した。
「豊胸!! ウォーターパッドの意味は分からないけど、胸が大きくなるのね?」
「疑似的にだけどね。脱げば、似非乳がバレる。まあ、どこの世界でも巨乳に憧れる女はいると思うよ」
前世の私は、控えめに言えば小ぶりなオッパイだった。
巨乳には、人一倍憧れがあるのだよ。
母を見ていると、将来に希望が持てたのでちょっと期待している。
「凄く気になるフレーズだわ」
「因みに、前世では豊胸手術ってのがあってね。塩水バッグという処方が用いられていたわ。自分の脂肪を使う方法もあったけど、結構高かったなぁ」
「どういう物なの?」
ウンディーネの問いかけに、いちいち答えるのが面倒で絵を描いて説明したら何故か目を輝かせていた。
「これを作って私の中に取り込めば巨乳になるんじゃない!?」
私天才みたいなドヤ顔で言ってのける彼女を思わず憐みの目で見てしまった。
純粋に形を保つときに妄想力で補えば乳の形くらい変えられるだろうとはツッコミを入れるのを止めた。
「さあ、それはどうかは分からないけれど。協力してくれるの?」
「良いわ! 手伝ってあげる」
乗り気なウンディーネから言質を取り、私はウォーターパッドの制作に着手した。




