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お前は、ヒロインではなくビッチです!  作者: もっけさん
幼少期
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暫く休養を貰いましたので市場調査に出かけます

 DV事件があり、経緯を聞いた王妃より陛下へ話が行きアルベルトはこってり絞られたようだ。

 私は、暫く療養するようにと温かいお言葉を頂いたので憂さ晴らしも兼ねて城下へと繰り出した。

 護衛の双子ちゃんと、フリックの推薦した次期執事長候補のロイドが護衛をしてくれることになった。

 ロイドは、フリックとメアリーの子供で両方の才能を持って生まれた天才型の超人である。

 ただし、主と認めない人間には至って慇懃無礼な人間である。

「市場を見に行くわよ!」

 フンスーッと鼻息を荒くする私に、

「お嬢様、今度は何する気ですか? 私に迷惑をかけないで下さいね。探すのが面倒臭いので」

とロイドに釘を刺された。

 雇い主の娘なんだけどなぁ、一応は。

「ロイド、私を吃驚箱みたいな捉え方しないで頂戴。前回は、護衛が私を見失ったのが悪いのよ」

「人は、それを責任転嫁と言います。お嬢様が軽率な行動をしたから、ガリオンやアリーシャが雇われたのですよ」

 容赦のない突っ込みに、グゥの根も出ない。

 耳が痛い。

「…分かっているわよ。出来るだけ、はぐれないように気を付ける」

「そこは、はぐれないようにして下さい」

「いや、無理無理。断言できる自信がないもの。自由に市場を見ることこそが新しい商品開発のヒントになるのよ!!」

 ブレない私の答えに、

「それでこそお嬢だよなー」

「ガリオン、本当だとしても口にしてはダメよ。リリーが傷つく……ことは無いけど、マナー違反だわ」

 双子が可愛くなくなってきたのは、やっぱりスー夫妻の教育の賜物なのだろうか。

 私の癒しは、遠く離れた弟妹だけだ。

「何を言われても良いもんね! 私に撒かれるってことは、それだけの実力でしかないってことよ。いわゆる無能」

 私の無能宣言に、ロイドの顔が能面になった。

「私が無能……」

「私に撒かれたらね! 撒かれない自信があるんでしょう。だったら問題ないじゃない。もしはぐれた時は、大通りにある噴水前に15時に集合ってことで!」

 懐中時計の時間を確認し、ロイド・ガリオン・アリーシャに予備の懐中時計を渡した。

「これはなんですか?」

「時間を図る機械。精密機器だから扱いには気を付けないと壊れるからね! 一日は二十四時間なのは知っているでしょう? 文字盤は十二の数字が描かれている。15時っていうのは昼の三時の事。今は午前10時32分。短針が10の場所を指し、長針が32を指しているでしょう。使い方や見方は、これでも読んで覚えてね」

 取扱説明書を渡しておいた。

 私は、撒く気満々ですから!

 暫く馬車に揺られて城下一賑わいのある市場の入り口で降ろして貰った。

 夕刻には迎えに来てくれるとのこと。

 一日フリーな日があるのは良いことだ。

「よし、行くぞー!!」

 どこから見ても大公令嬢には見えない化けっぷり。

 簡素なドレスと靴に、肩掛け出来る布鞄。

 布鞄には、淑女のたしなみとして刺繍を習わせられていたので大公家の花押をデフォルメしたものを刺した。

 きちんとしたものを刺そうとしたら一年あっても足りないわ。

 精々良いところの商家のお嬢様程度には見られるだろう。

 ポケットから出した和紙で作ったメモ帳と鉛筆で、メモを取っていく。

 市場価格を知ることは大切だ。

 服も見てみたいと思い、髪飾りを買うついでに服屋について聞いてみると色々と教えてくれた。

「お嬢ちゃんみたいな身なりのいい奴が行く店は、中央通りにあるルベロンの洋服店がおススメだよ」

「へー、他には?」

「お貴族様御用達の店は、大通りのレクサスの店だな。ドレスを主に扱っている。同じ通りにあるレイドの店も有名だ」

「貴方はどこで服を買っているの?」

「俺かい? 俺は古着さ。ガディーの洋服店が一番品ぞろえが良いな。後安い」

「安いのは良いことね! あ、このイヤリングも頂戴」

「あいよ」

 青いガラス玉が付いたイヤリングを受け取り、小銭を渡す。

「女の子に人気な服屋さんはあるの?」

「あまり詳しくはないが、裏通りにあるぞ。アリスの雑貨店がおススメだ。雑貨と(うた)っているが古着も扱っている。あんたは、良い服を着ているから追いはぎや誘拐には気を付けろよ。ガラの悪い奴も多いからな」

「ありがとう。気を付けるね」

 おっさんの忠告に頷き、私はアリスの雑貨店へと心なしかスキップしながら向かった。

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