そりゃないよ~
6話
どのラノベでも異世界転生や転移する主人公は大抵チートを持ち、その力で無双するのが当たり前のように描かれている。そして俺も神様から色々な力を授かって転生するのだから、同じことができると期待に胸を膨らませていた。
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「もぉ・・・ムリ。」
俺はそう言って地面に倒れた。
「ご主人様まだノルマの半分もこなせていないですよ。」
ヘイリー曰く確かに俺は神から様々な力を得たらしいのだがあくまでも素質を与えられただけであり、会得し使いこなすにはひたすら修行するしかないのだそうだ。
そりゃないよ~。
折角色々な力を貰ったのに修行しなければ何も使うことができないのはひどすぎる。
しかしどんなに優れた剣術や魔法を有していても、それを使う者の力が足りなければ一度魔法を放ったあとは役立たずになるとある魔法使いのようになってしまう。さすがに魔王が一回魔法を使って倒れたらシャレにならん。
そしてヘイリーは修行中は鬼軍曹とまではいかないがかなり厳しい、朝のランニングに始まり様々な武器や魔法訓練、その習熟具合の確認の為の模擬戦。座学も疎かにすることはなく国の歴史や様々な人種がいるのでよく使われる武器や魔法について、果ては食事等のマナーに至るまで色々と叩き込まれた。
魔王なら礼儀作法はあまり必要ないように思うが、どれも魔王ならできて当たり前だと言われて渋々学んでいる。
このような生活とは言えキレイな美女が一緒なのだからそれ相応のお楽しみがあるのがテンプレだと思っていたが、人生はそんなに甘いわけはなく未だに着替え中のハプニング等のお約束がないのは何故なんだ。あの神が俺に嫌がらせをしているとしか思えん!
「そうですね。一人前になったらご褒美をあげますよ。」
俺の愚痴に対しての彼女の返答がこれだった。
「よ~し、言質はとったからな。後でやっぱり無しは通じないからな。」
こうして簡単にのせられつつ修行の日々は続いていったのだった。




