1話 最終決戦
書きたいのに書いてると眠くなるのはどうしようもないですね|ω-`)
大きな音を立てて崩れゆく城壁の一部を避けつつ、焦げ茶色の髪をなびかせて青年が長い廊下を駆け抜けていく
「…来たか、勇者」
「倒しに来たぜ、魔王レーヴァテイン…いや…レイン…」
「まだその名で呼ぶか、勇者よ」
亀裂の入った床にガラガラと天井の一部が落ちていく
当たれば命がないのだが、魔王も勇者もその場を動くことはしなかった
そうしてしばらく睨み合っていると
玉座に座っている魔王「レーヴァテイン」はその銀とも白とも取れない癖のある長髪をなびかせ立ち上がった
勇者はその姿をじっと見つめながら呟くように言った
「俺…信じてたんだ…あんたとなら…分かり合えるって…それなのに…」
「無駄な事、お前と私は分かり合えぬ
いや…分かり合おうとも思わん」
「そうかよ…っ!!」
冷たく突き放すその言葉に勇者は苦しそうに目を細めた
抜こうとして触れた長剣が震える
その震えが自分の手の震えであるということは勇者にはよく分かっていた
「剣を取れ勇者、ここからはスキルも魔法も使わない、1対1の決闘だ」
魔王は勇者の行動をさして気にする様子もなく腰に差している黒い細剣を抜いく
「っ…だからあんたは優しいんだよ…」
わざわざ対等な戦いを持ち込まず力によって潰してしまえばいいものを…
それだけの力をこの魔王は持っていた
そして勇者自身もそれに対抗できるだけの力を持っていたのだ
しかし魔王が提示したのは剣だけを扱う決闘
魔王は知らずのうちに勇者のことを認めていたのかもしれない
「黙れ勇者、貴様にはスキルなど使う必要がないというだけのこと」
「分かったよ…ルールは?」
「使用武器は剣だけ、どちらかが死ぬまでやめぬ」
「殺し合いか…」
「その方が楽だろう」
「…容赦しねぇ!」
「それはこちらのセリフだ」
そうして魔王と勇者の最終決戦が始まったのであった…
……
「っ…はぁっ!はぁっ!」
「う……ぐ……ぅ」
城の半分が既に形を崩し
勇者と魔王の居る王の間も様々なところにヒビが入り、崩れていく
そんな中勇者は自分の血と返り血に塗れた剣をしまい、中央に倒れふす魔王へと歩み寄った
「…っ…無様に見えるか…ゆう…しゃ」
貫かれた胸は痛々しく身体中の傷は勇者との死闘を物語っていた
それはもちろん勇者も同じで、立つのもやっとの体を引きずるように動かす
「無様なもんか…すげぇ…かっこいいよ」
虐げられた魔族のために…
何より世界を敵にまわそうとしたその勇姿に
勇者は何よりも感銘し、魔王を褒めようとする
世辞ではない、本心でだ
「はっ…わたしを…倒しておいて…よくも…まぁ…そんな口がきくものだ…」
つぅ…と口元から血がこぼれた
開いた胸の傷からは耐えず血が溢れ出し
灰色の床を赤く染めていく
それを見た勇者はぎゅっと口を結ぶように閉じた
「うっせぇよ!これでほんとに良かったのかよ!…俺は…俺は……っ」
「悩むな…進め…お前は私を倒したのだ…お前の望む未来を…作ればいい」
「んなこと出来ねぇよ…俺は王様じゃねぇから」
「なればいい」
「無茶言うなよ」
「お前ならなれる…そんな気がしたのだ」
「無理だって」
「だとしても生き残れ…この城から…出ていくといい
もうすぐこの城は崩れるのだからな……
玉座の裏に隠し通路がある…そこから…行け…そして…ー」
なぜそこまで言うのかと勇者が聞こうとする頃には魔王の息はすでに絶えていた
「…ありがとう…レーヴァテイン」
勇者は魔王と分かり合うことが出来なかった後悔の念を抱えながら、魔王が住む城を抜け出した
“そして…魔族が人とともに過ごせる世界を作ってくれ…”
「絶対に叶えてみせるさ!俺勇者だからな!!」
崩壊の一路をたどる城を遠目に見ながら、勇者は大声で叫ぶしかなかった