表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JS・異世界転生して魔王と体をシェアする  作者: もちのすけ三郎
白竜討伐ノ章
7/40

王の城へ!?

スズナの人間離れした脚力で魔王城まで戻ってきた琴子は、再び大広間の椅子の上にチョコンと座った。

(ベルゼブブの野郎ちょっと焦ってたな……。何かあったか……?)

普段常に冷静なベルゼブブの変わりように異変を感じた魔王は、何が起こったのかと思う。

現在、大広間には先程と変わらない面子、ガイム、ムガイ、ボルグ、ベルゼブブとスズナに加えて、アビスがいた。

「これは、さっきうちに届いた手紙だよ~、読んでみてぇ、琴子様」

「うむ……」

琴子が手紙を開くと、そこには見たことのない文字が、5行ほどに渡って書かれていた。

(ううむ……。これは読めないぞ……)

よく考えて見ればここは異世界。言語が通じた事で忘れていたが、文字が違う可能性だってある。

(……こいつぁ……、成る程、こりゃベルゼブブも焦る訳だ。)

どうやら手紙を読んだらしい魔王が驚きの声を上げた。

「なんと書いてあるのだ?これは?」

(ああ?そうか読めねぇのか……。ここにはな、この国の王さんが、城にこいと俺に命令出したって書いてある。)

「ふむむ……。それの何が焦る事なのだ。ちゃちゃっと行ってすませればいいじゃないか」

(ばっか!!王様が居る城なんて俺ら「魔族」の敵の本拠地だぜ!?何が起こるかわからんだろが!!勇者が居る可能性だってある!)

「……」

(しかもここには「魔王と大幹部2名、幹部1人」が来る事、って書いてある。……俺の今の姿は勇者のせいだからな!俺が弱っている内に殺しちまおうって算段かも知れねぇ!)

「ぬおお!!!それはまずい!!」

(やっと解ったか!)

「さて……琴子様が手紙を読み終わられましたので……。では、誰が行きますか?王の城に」

ベルゼブブが大広間の中にいる「幹部」、「大幹部」達に言う。

「それはつまり「誰がもしもの場合、王の軍勢から琴子様守るか」ってことだろうがよ!んなら俺が行くぜ!戦闘になるなら願ってもねぇ!俺も最近体が鈍って来てた所だ、暴れさせてもらうぜ!」

その言葉に真っ先に反応したのはガイムだった。

パシッ!と自分の掌に拳をぶつけ、にやっと笑う。

「取り敢えず僕はガイムを連れていくのには賛成です。……この中で乱戦に1番強いのは(ガイム)でしょうから……」

その言葉にムガイが賛成の意を示す。

「ではもう1人は……」

「私が行こう」

「そう言うと思いましたのじゃ」

ボルグの言葉に、ベルゼブブが急かさずそう言った。

「まぁ、ベルゼブブ様なら戦闘力も問題無いですし…、いざという時には今の魔王様を「運ぶ」こともできます」

「じゃあ、これで決まりだな!……んじゃああとは幹部からか」

「今ここに居るのはスズナとアビス……。呼べば他も居ますが……」

「できるだけ琴子様も知った顔が良いんじゃねーの?」

「……なんだガイム、そんな気配りができるのか。普段からしてくれ」

「俺は何時だってこうだぜ!」

「本気で言ってるお前が恐ろしいよ……」

「では……スズナ、頼めますか?」

ベルゼブブの言葉に、スズナが頷く。

「このスズナ!琴子様の盾になる覚悟で頑張りますよ!」

「よし、それでは……どうやら、今日の夜に来いと言う話のようですね。まだここに書いてある時間まで5時間はあります。各人それまでに準備を整えておいて下さい」

「「応!!」」


「ねぇ……ラーヴァ」

(あ?なんだ?)

琴子は大広間から出て、寝室のベッドにバフッ!と倒れこんだ。

「そんなにその王様は強いのか?大幹部達は1人で1つの国を倒せてしまうほど強いんだろ?」

(ああ……王さま自体は強くねーよ。その回りを固めてる勇者の野郎たちがつえーんだ)

魔王が面白く無さそうに言う。それはそうだ。魔王はその勇者達に負けたのだから。

(流石に大幹部クラスのやつはそんなに居ねーが、幹部クラスはあなどれーね程いる。50人だ。こっちの2倍以上だな)

「スズナさんみたいなのが50人も居るのか……」

(ま、あとはあいつらは協力して戦ってた。1人の敵に少なくとも三人以上で当たる。……戦術も向こうの方が上手だったな。あと士気も高かった。勇者が最前線で戦ってたからか……。敗因上げると切りねぇな!やめだやめだ!)

魔王はだんだん勇者達を誉めていることに気付いたのか、ブンブンと無い手を振って話を止めた。

「むぅ……勇者とラーヴァは……まるで友達の用だな……」

(あ!?なんで俺があんなやつと……)

「だって……さっき勇者の話をしてたとき、ラーヴァは楽しそうで……」

(あ!?おい待てお前!?寝るの!?ここで!?まてまて!!)

琴子は今までの疲れが出たのか、ベッドに倒れこんだまま、眠ってしまった。


読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ