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JS・異世界転生して魔王と体をシェアする  作者: もちのすけ三郎
白竜討伐ノ章
3/40

部下たちとの出会いー2

「全く……今日は大切な知らせがあると言って召集したのに……」

ベルゼブブは頭を抱えて言った。

「ま!あいつらには自分の事より大切なことなんてねぇだろうからな!!」

ガイムが笑いながら言った。

「しかし……、やはり大切な事と言うのは、その魔王様のお姿のことで?」

「ああ、そうだムガイ。……魔王様、説明をお願いできますか?」

「あ……う、うむ!頑張ってみよう!!」

「魔王」と呼ばれているので、精一杯胸を張って堂々と言ったつもりだったが、あまりベルゼブブ達には伝わなかったようだ。

そして琴子は、先程魔王が言っていた、魔力を制御するために、魔王の姿が人間にされてしまったこと。そして自分が1度死んでいて、今の魔王の体に偶然選ばれてしまったこと等を話した。後、自分の名前も。

「ほぉ……、それはますます興味深い話じゃのう!それにその「魔族」や「魔王」と言い慣れておらん感じ……。もしや、別の世界の人間かもしれんわい」

と、ボルグが、少し興奮したように、持っていた杖をコツコツ床に突きながら言った。

「えっと……それではここは地球じゃないんですか……?」

琴子が聞くと、

「ほうほうほう!!誠に別世界の人間じゃったか!!……琴子様、ここは、「リレリオン」と言う国の中にある大都市、「フィンセ」と言う所じゃ」

リレリオン……、フィンセ、琴子には全く聞いたことのない名前だった。

しかし、魔王と言うのは街中にいるものなのか……、と琴子はボルグの言葉に少し、疑問を持った。

(はっは!!それも後になればわかる!今は家の有能な部下の話を聞くといいぞ!)

琴子のなかで、琴子の疑問に答えるようにして、魔王が言った。

「それでは琴子様は……この世界の事は何も知らないと……そういうことなのですか?」

ベルゼブブが琴子に言った。

「はい……そうです」

「よっしゃあ!!じゃあ俺がこの街を案内してやりますよ!!」

「あなたが案内できる所と言えば飲み屋と風俗店とトイレのある場所くらいでしょうガイム。……そうですね。スズナを呼んできましょう。少し待っていて下さい。」

そういうとベルゼブブはブゥンという音と共に消えた。

「!?」

「あー琴子さま、驚かなくて良いぜ。ベルゼブブは移動しただけだ」

そう言われても、こんな異常な移動の仕方をされては驚かないほうがおかしいと思う……と琴子は思った。

(あー……じゃあこの間にこいつらの事もうちょっと教えてやろう。このベルゼブブを始めとする今いないガラン、バラ、エントラを合わせた7人がこの魔王の部下の中でも最も強大な力を持っている、「大幹部」だ。1人で1国を落とせる力は確実にある)

「……それはすごいですね……」

この国1つの規模がどれ程か、琴子には具体的には解らなかったが、それでも、その凄さと言うのは、何となくわかる。

(で、さっきベルゼブブが言ってたスズナって言う奴、そいつは大幹部の1つ下の「幹部」だ。これは20人いる。その下に「軍隊長」「部隊長」……と、そんな感じだ)

魔王がそう言い終わるのと同時に、大広間の入り口のドアが、バーン!!と物凄い音を立て、勢い良く開いた。

「幹部スズナ!!ただいま参上!!」

快活そうな笑顔で、へそを出した赤いTシャツ、いわゆるクロップド・Tシャツを着た女性が現れた。

「スズナ、魔王様の前です。少しボリュームを落としなさい」

「はぐぅ!失礼しました……」

ベルゼブブの冷静な指摘に、スズナは口を両手で押さえ、「声を小さくします」アピールをした。

「それで!魔王様に町の案内をすればいいんですよね!!…魔王様はどこですか?」

スズナはキョロキョロと辺りを見回し、椅子に座っている琴子に気付いた。

「……魔王様?」

「はい……そうです…」

「……」

スズナはそれを聞くと、大股でツカツカと琴子の椅子の前まで速足で歩き、

ガシッ!

「うりうりうりうりーー!!!」

「え……?あの……?」

琴子の腰に腕を回し、琴子のほっぺたに、自分の顔を擦り付けた。

「お!おいスズナァ!?お前何やってるのかわかってんのか!?」

「魔王様うりうりしてるー!!」

「おーちゃんとわかってんじゃねーか。」

「納得してはダメでしょうガイム。……取り敢えず琴子様から離れなさい、スズナ」

ムガイがガシッ、とスズナの顔面を容赦なく掴み、グググッ!と琴子から引き離そうとする。

が、

「いやーー!!こんなに可愛いのに離れたくなーーい!!」

「こいつ……何て力……!!」

「うりうりうりうりぃーー!!」

ギュガガガ!!!と、スズナのうりうりのスピードが上がる。

「あ……あの……、もうそろそろ……」

「うりりりりぃ!!!!」

「琴子様が嫌がっているでしょう……スズナ……!」

ポン、とスズナの肩に、ベルゼブブの手が置かれた。

その手からは、静かだが、異様な力が加わっていた。

「は……ははは……」

その手からベルゼブブの怒りを感じ取ったのか、すうっ、とスズナの顔が琴子から離れる。

(殺されてた……!あと1秒長くうりうりしたら殺されてた……!!)

スズナは直感で感じていた……。

「それではスズナ、貴女をここに呼んだ理由を話します」

そう言って、ベルゼブブがスズナに、これまでの経緯を説明した。

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