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JS・異世界転生して魔王と体をシェアする  作者: もちのすけ三郎
学園潜入ノ章
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ニラニウス学園-6

「……琴子様、大丈夫ですか?汗だくですが……」

ムガイが怪訝そうに琴子に尋ねる。

「うむ……大丈夫かと聞かれたら大丈夫じゃないかも知れないのだ……」

「いやぁ、ごめんね。クルスにはこっちから厳しく言っとくから」

琴子達は再び第一校舎の一階、転移石の前に戻ってきていた。

「それじゃあ学校も見れたと思うから、君達が泊まる寮に行こうか。転移石に触れてくれ」

「寮……初めて……」

「私もですよ。知識としてはありますが、実際に利用することになるとは……」

「おお……「知識としてはある」……頭良さげ……」

そう言いながら、琴子とムガイは、転移石に触れた。



ニラニウス学園の学生寮は、ニラニウス学園の屋上に設置されている。

第一校舎には初等部、第二公舎には中等部、第三校舎には高等部。

そのため、転移した場所は、ムガイと琴子で違う場所に飛ばされるということになった。(ちなみにこの事は事前にスパーキーから琴子達に聞かされていた。)

「おっ、君が留学生くんかい?」

「うわっ!ビックリしたぁ……」

琴子が転移した場所に、一人の少年が座っていた。

黄金色の髪と青い水晶のような瞳を持った少年は、続けてこう言う。

「俺の名前はガゼル!初等部の寮長をしている!学園長からもうそろそろ留学生がそっちに行くからここで待っていてあげてくれと言われてな。……そんで、君の名前は?」

「あ、三井琴子です」

「うん、琴子っちか!よし、それじゃあ早速寮に案内しよう!」

「琴子っち……。ちちちっち……」

ガゼルは琴子の方を向いてそう言うと、琴子に付いて来いと言うようにゆっくりと寮内に入っていった。



巨大な校舎に入る学生の数を考えると、やはりそれに比例して学生寮も大きくなってしまう。

初等部の学生寮は、何故か西洋風の古城のような外観をしていた。所々に蔓が巻き付き、傷付いている部分はあるものの、発する威厳は一切衰えてはいない。

なぜ寮が城の形をしているのかガゼルに聞いたが、ガゼルも詳しくは知らないらしい。噂によるとスパーキーが学園創立の時に、学生寮を少しでもゴージャスにしようとした結果、どこからか使われていなかった魔王城を持ってきて寮にした……。という事らしい。

外観は古城だが、中はとてもキレイだ。寮の入り口のホールのようになっている場所はとても明るく、土足だが土の汚れなどは見当たらない。

琴子の背の十倍はありそうな天井には巨大な白銀のシャンデリアのような物が吊るされ、火が灯っている。

琴子がその美しさについ見とれていると、

「おっ、琴子っち。「白銀の聖火」を見ているのか!お目が高いな!」

ガゼルがそれに気付いたらしく、琴子に話しかけて来た。

「「白銀の聖火」はね、この初等部の学生寮全体に魔除けの結界を張る効果をもっているんだ。しかもこの入り口に有るだけで寮内全てを明るく照らしてくれる。全く飛んでもないものだよ」

「へぇ……」

「気のすむまで見てくれて良いぜ!琴子っちの部屋はこの直ぐ近くだからな。あんまり速く案内してもつまらないぜ。」

ガゼルはそう言うと、ニシシ、と真っ白い歯を見せて笑った。



ガゼルの言った通り、琴子の部屋は白銀の聖火が設置してある場所から三十秒ほど歩けばつく場所にあった。

ドアを開けると、中にはベッドや本棚、机など生活に必要な物が全て揃っていた。部屋の入り口の近くにあったドアを開けると、そこはトイレになっており、その隣のドアの中はシャワー室になっていた。

(ほー、中々良い部屋じゃねぇか。スズトの野郎がくれた部屋より数倍良いな)

「……まぁ、そうだね。思っていたより凄くキレイなお部屋でビックリしてる…。ムガイさんも満足してるだろうな」


高等部学生寮内、ムガイの部屋。

ムガイの部屋も琴子の部屋とたいして変わらない、清潔に保たれ、生活に必要な物は全て揃っている。一つ違いがあるとすれば……。

「なんでお前がいるんだガイカ」

ベッドの上でガイカが寝ていたこと位だ。

「ん……ムガイの野郎が見える…?夢でも見てんのか……?まぁいいや。取り敢えず殴っとこ……」

ガイカがうっすらと目を開けながら立ち上がる。

「ふわあぁぁ……眠っおらぁぁぁ!!!」

「わかっとるわぼけがぁぁ!!」

「うがっ!!」

ガイカの右ストレートをムガイは完璧に交わし、そのままガイカの顎にカウンターを決めた。

「て……めぇ……。寝ている人間を殴るとはいい度胸だ……。」

「お前がそのセリフを本気で言っているのなら俺はお前に本気で精神治療を受けることを進めるぞ」

「ったく……くそ、ここの部屋に入るやつってお前だったのかよ……。長らく俺の休憩場として活躍してきてくれたのに……」

「すいませんスパーキーさん!部屋チェンジでお願いしますー!」

「なに!?そんなに嫌か!?俺の使った部屋に入るのがそんなに!?」

「お前の部屋に入る位なら俺は死体の中で生活する事を選ぶ」

「俺ってそんなにお前の中で底辺に居るの?……っでもいい部屋何だよまじでここ!!他にはないポイントがある!」

「ほう、どんな所なんだ?」

「幽霊がでます。ほら、今も隅っこに体育ずわりしてるよ。すみっこぐらししてるよ」

「……チェンジだ」

読んでいただきありがとうございます!

700PV突破しました。読者の皆様のお陰です!ありがとうございます!

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