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JS・異世界転生して魔王と体をシェアする  作者: もちのすけ三郎
学園潜入ノ章
22/40

ニラニウス学園-3

ギガッ!

(ぐっ……重っ……!)

「なっ!ガードしやがった……!」

ガイカがリクエイトした「何か」を、ギリギリのところで、右腕から現れた黒い刃でムガイが止めていた。

「って……こいつ武器リクエイトしやがりましたよ!?ダメだよね!?ホントに殺す気マンマンじゃないか!」

ガイカがムガイに振り下ろした「何か」は、巨大な三日月型の刃を持った大鎌だった。刃の刄の部分は赤く染色されており、恐らく人の血では無いのだろうが、十分な威圧感を放っている。

「つーかその黒いの何だよ!?」

ガイカが自分の攻撃を防いだムガイの右手から現れた黒い刃を見て言う。

「あ?氷魔法だよ氷魔法。よくあるでしょう、氷を盾型に作って防御したりな」

「いや氷じゃないよね、氷にしては黒すぎるんだけど。どす黒いよ」

「氷だよ」

「氷じゃないよね」

「氷」

「いや氷じゃな……」

「氷だっつってんでしょーがぁ!」

「うおおお!!あっぶ!顔面取りに来たよね!?お前も殺す気マンマンじゃん!」

「先に喧嘩申し込んで来たのはそっちだろが!!」

「おぁ!?た、確かにそうだな?……よっしゃああ!!かかってこいやぁ!!」

「はいそこまでー。」

「「?」」

もはや魔法での戦いではなくただ単に殴りあいの喧嘩をしていた二人の間に、スパーキーが割って入る。

「さすがにダメだわ、うん。殺しあいはね。普通の生徒だったらまぁ多少悪ふざけで終わるかも知れないけど君たち本気でやっちゃうやつだわ。」

「……あー、くそ、さぁせん。ちょっと頭のぼせてたわ。てかなんで俺喧嘩してんだ?」

「お前が急に申し込んで来たんだろうが!全く、とんだバカだな。」

「あ?誰がバカだと?」

「うん、俺もそう思う」

「学園長!?」

スパーキーの言葉にショックを受けたのか、ガイカは肩を落としてとぼとぼと去っていった。

「さて、すいません。変なことで時間を使ってしまいました。」

「い、いやいや。べつに良いぞ?早速友達が出来たみたいで何よりだ」

「・・・あいつとはもう関わりたくないです……」

ムガイはげっそりとした様子でそう言った……。



ガイカとの接触の後、琴子達はニラニウス学園の校舎の中に入った。

入ってすぐの所は広い木造のホールの様になっており、壁には生徒の研究結果等を写した紙が貼ってある。

「さて、ここは第一校舎の一階だ。主に職員室などの…生徒ではなく先生が利用する階かな。」

「ふむ……。琴子様、中々手練れの魔力を複数感じます。少し気を付けた方がよろしいかと。」

スパーキーの言葉を聞いたムガイが琴子の耳に顔を近付け、小さな声でそう言った。

(へぇ、ムガイが手練れと言うか……。中々強い奴が居るようだな)

(まぁ、先生だし……。生徒より強い人が居るのも当たり前だよね……)

「まぁ……ここの階にはあまり見るものが無いんだけどね……。よし、こっちに来てくれ」

スパーキーが少し歩いて、手招きする。

スパーキーについていき、ホールの隅に移動すると、そこには宙に浮かんだ、一メートル程の巨大な青く発光している石があった。

「これは転移石と言ってね。この石に触れながら行きたい階を頭に思い浮かべれば、その階に移動出来るようになってるんだ。一つの階に一つはあるから、長距離の移動はこれで行って欲しい。」

見ると、巨石の近くの壁に、全ての階の紹介文が貼ってある。

「それじゃ、一人ずつ行きたい階を選んでくれ。ここからは別行動にしよう。」

「琴子様、どうやら単独行動が出来るようなので…私は少し色々な階を回ってみます。琴子様はどうされますか?」

「私は……、この、研究室がある階に行ってみようかのう。」

「了解しました」

「決まったみたいだね。じゃあ、ある程度時間がたったら連絡するから、またこの第一校舎の一階に転移石で来てくれ。ではでは、行ってらっしゃーい!」

琴子とムガイが同時に転移石に触れる。すると、転位石の青い光が一瞬強くなり、辺りを包む。

その光が収まると、琴子とムガイの姿は、転移石の前から消えていた。

読んでいただきありがとうございます!

600PV突破しました!こちらもありがとうございます!

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