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JS・異世界転生して魔王と体をシェアする  作者: もちのすけ三郎
白竜討伐ノ章
10/40

ヴァノウの依頼

「厄介な魔物とは……一体、何の事ですか?」

ベルゼブブがヴァノウ王に聞く。

「ほっほっほ、そいつはな、「白竜」じゃよ」

「白竜……」

ヴァノウの言葉を受け、ベルゼブブが少し、驚いたような顔をした。

その様子を見て、琴子は、

「のう、白竜とはなんだ?」

と、ラーヴァに聞いた。

(白竜ってのはその名の通り、全身純白の鱗で覆われた、神聖な竜の事だ。……基本的に人間に害はなさないはずなんだが……)

「……ふん、じゃあ何で、白竜が「厄介」なんて言われておるのだ」

「ふぉ!ふぉ!それはのうお嬢ちゃん、何故か白竜が異常なスピードで、北の山脈に生息する動物や魔物を食べてしまっているからなのじゃ。」

小さい声で言ったつもりだったが、バッチリ聞かれたらしい。

「……北の山脈に、異常が出ていると?」

「そうじゃ、既に花粉を運ぶ魔物、「ザビー」が大量に食べられてしまったせいで、山脈に生息する花の数が減少する可能性がある」

(要するに、生態系が壊れ始めてるってことか。)

ラーヴァはなにか理解したようだが、琴子にはさっぱりだ。

「琴子様!頭から煙が……」

そう言って心配してくれたスズナの頭からも、煙がプスプスと出ていた。

「だったらよ、おいはらっちまえば良いじゃねぇか、別に殺してもよ?」

「それがのう、一度討伐隊を冒険者50名とそこにいるホオジロを初めとした騎士10名で組んだんじゃが…ホオジロ以外、全滅したのよ」

「……ああ?本当なのか?ホオジロ?」

「……ああ、そうだ……」

ガイムの問にホオジロは声を絞り出すようにして答えた。

「はっ!、「王国の盾」筆頭とも呼ばれたお前が、不様なもんだな……」

ガイムのその言葉は、バカにする様なものではなく、どこか失望が混じったような声だった。

(ホオジロとガイムの野郎は、どっちも「守り」のスペシャリストだからな。ガイムはどこかでホオジロにライバル意識を持っていたとこも有るんだろ)

と、ラーヴァが呟いた。

「ガイム君、ホオジロをそう責めんでやってくれんか。全滅してしまった原因は他にあるんじゃ」

「?何だよ」

「白竜には、何故か魔法が効かなかったんじゃよ」

「魔法が効かない……?白竜にそんな能力ありましたか?」

ベルゼブブが言う。

その言葉にヴァノウ王は首を横に振り、

「いや、無いんじゃよ。普通はな。」

「つまり、その白竜は普通ではないと?」

「その可能性が高いんじゃ、まだ隠れた能力が有るかもしれん。……そこで、手練れの者が多数在籍している魔王軍に、白竜の討伐……最低でも、どのような技を持っておるのか。それをお願いしたい」

「つまり、能力がわからないような奴にこれ以上身内で犠牲を払いたく無いから、お前らちょっと行ってこいって事だな?」

「ガイム!それはいくらなんでも言い過ぎ……っ!!」

ガイムの言葉に反応したホオジロを止めるようにして、ヴァノウ王が言う。

「ほほ……まぁ、そういう面も有る。だがこれはお主等の力を信頼しての事じゃ。お主らも今やこの国に住む国民、こんなことで命を失っては欲しく無いんじゃよ。」

ヴァノウ王は優しく微笑みながら言った。

「はっ!どうだか……!。ま、ちゃちゃっと白竜ぶっ倒して、大金ふんだくってやらぁ!な!琴子様!」

「う、うむ!そうなのだ!ふんだくってやる!」

「はぁ……まぁ、白竜程度、殺すなんて造作もない。引き受けますよ、その依頼。」

「楽しくなってきましたね!!」

琴子達が四者四様の反応をする。

「ほっほっほ!元気の良いことじゃ!解った!今回の依頼の報酬金は弾むぞい!」

それを見てヴァノウ王は手に持った杖をコツコツと床に突き、豪快に笑った。




フィンセ大通りにある魔王城。

琴子はちょこんと椅子に座った。

「なるほど、白竜の討伐ですか」

再び大広間に集まった大幹部達の中の一人、城での経緯を聞いたムガイは、何の表情も変えず、そう言った。

「あながち琴子様以外の誰か一人位は欠けて帰ってくると思いましたけどね。」

「てめぇこっち見て言うんじゃねぇ!てめぇのメガネ割ったろかぁ!」

ギャースギャースとムガイとガイムが罵り合う。

「で、誰が行くんじゃ、その白竜殺しは?」

二人の喧嘩を気にせず、ボルグが言う。

「全員で行くんかぁ?それとも何人かに絞って行くか……」

「絞ります。白竜にそこまで戦力は要りません。最悪大幹部一人でも片付けられますよ。」

ボルグの言葉にベルゼブブは即答した。

「あぁ?そこまで雑魚じゃないと思いますよ?今回の白竜は。」

ガイムの言葉に、ベルゼブブは眉をひそめる。

「何?ガイム、何を根拠にそんな事を?」

「白竜の討伐隊に組まれてた、ホオジロって野郎は攻撃はそこまでですけど、防御力に関しては俺には負けますが、まぁまぁの実力です。魔法が効かなかったとはいえ、あいつがあそこまでの被害を出すなんて、相当なものですよ」

「ふむ、成る程……お前がそこまで言うとなると、相当な実力者何だろう。少し考える必要があるか……。わかった。白竜討伐よメンバーは私が明日の朝までに決めておく。今日はこれで解散としておこう。」

ベルゼブブがそう言うと、大広間に集まっていた大幹部達は、各々自分の部屋に帰っていった。

「すいません琴子様、時間が遅くなってしまいました。……お1人で寝室まで帰られますか?おんぶいたしますが……。」

「いっ!いやいや、大丈夫だ!自分で帰るぞ!」

琴子は急いでぴょこんと椅子から飛び降り、トテテテと、寝室に帰っていった。



読んでいただきありがとうございます!

今回は活動報告にキャラクター紹介を出しておきたいとおもいます。

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