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眠りと私と深海魚

作者: 武田道子

眠りと私と深海魚


眠りの中の私は

闇の深淵の光のまったく届かないところでじっと

深海魚のように

ぶ厚いまぶたを閉じている

眠りはとても重く

夢でさえも海底の闇の中に沈んでしまったのか


深海魚は水面には浮かび上がらない

私は眠りから覚められない

どろどろとした海底がどこまでも続く

いつまでも続く


私は泳ぐ、這う

重い体を引きずって

夢で編まれた網に引っかかった私は

もがきもがき疲れ果て

眠りに飲まれ消えていく

音のない世界に

色のない世界に

時間のない世界に

そして私という存在のなくなった世界に


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