異世界チケット使用2枚目。その1
さくっと異世界にいっちゃいます。高性能ナビシステムです。
ご都合主義ですので、ご了承ください。
:::::::異世界旅行チケット2枚目使用、残りは9枚::::::::
<検索条件:女性の比率が多く、且つ、体重300キロ以上、巨乳であること。ふくよかであること。*****の恋人になれる可能性のある女性がいること。>
ぐにゃ~ぐにょ~としたいびつな空間から急に足場のしっかりした場所にでた。
ここが異世界なの?なんか森の広場っぽいとこに出てきたみたい。
ん?太陽が三つ?!ドラゴンが飛行訓練のように飛んでる~うわー、ドラゴンなんて初めて見た!
やばい、ほんとに異世界だ!ビバ、ファンタジー!
30才を過ぎてもファンタジー大好きで何が悪い。
どんとこい、ファンタジー!開き直って楽しむことにした。
だてに会社で姉さんと呼ばれてないさ。
私が年甲斐もなく喜々としてまわりを見ていると、彼がナビさんと何やら話しこんでる。
ぷかぷか宙に浮いてるチケットと真剣に話す姿はやはり珍妙である。
「どうしたんですか?」
「いや、せっかくたくさん女性のいる世界に来たのにこんな僻地に連れてきたから苦情をだね…」
と、彼が出てきた場所についての不満を言っていたのだ。
---お言葉ですが、******様、この世界は今、非常に危険な時期なんです。ですから、できるだけ人の少ない場所に案内したのです。人の多い場所に出ると立花様まで危険に晒されます。---
「そんなに危ないんですか? この世界?」
森の中でとても静かだし、時間がなぜか昼だけど、植物や動物も見慣れないものがわさわさもさもさしてるけど別に危険は感じないけど…?
---女性は確かにたくさんいらっしゃいますが、今はほんとうに----ズドドドドドド!!!!
ナビさんが言い終わる前に、急に轟音が響いてきた。
地鳴りのような…何かが土煙を巻き上げながらこっちに向かってきてる?
広場から、その土煙がはっきり見える。なんというか・・大きな二足歩行の牛?牛人?
段々、はっきりとその土煙の正体が見えてきた。2~3メートルはあろうかというゴツイ巨体の女性の群れだった。胸がなければ女性と判別できないたくましさである。
顔も牛と人が混ざった何ともいえないお顔立ち。
しかも、「男だー、男の匂いがする!」「男男男男…ぐふふふ」「はぁはぁ、男…じゅるり」
口々にそういっている。
そして、…その牛のような巨体の女性の群れを見たイケメンさんはすっかり青ざめている、当然私も。
---*****様、ここは現在、発情シーズンなんです。普段なら、特に危険はないのどかな世界なのですがこの時期だけは、男性にとって非常に危険です。周りにいる彼女たちは番いになれなかった余りの方たちですから。男性を見れば…問答無用で襲ってきます。---
うわー、ナビさんの説明を聞いていたら牛のような風貌の女性たちにすっかり囲まれてしまった。
目は赤く血走ってるし鼻息も荒い。筋骨隆々の闘牛に囲まれた気分である。
そして彼女たちはお互いをけん制しあっている。隙あらばイケメンさんを襲う気満々である。
たしかに300キロはあるよね!軽く1トンくらいありそうだよ!!
「イケメンさん、この状況非常にまずいと思うんですがどうします?」
青ざめて固まっているイケメンさんにひそひそ話しかける。
「どどどど、どうしたら…こんなにゴツイ女性の世界とは思わなかったし、いくら条件に合うからと言って恋愛対象には見れないよ…」
イケメンさんもひそひそ答える。
「なら、次は私が行きたい異世界にいっていいですか? このままだと襲われますよ。よし、さっさと移動しましょう! ナビさん、次は魔法が使えて治安のいいところにお願いします。大急ぎで!」
----承知しました。すぐにご案内いたします。----
魔法の使える異世界は需要が多いのか、すぐに移動できるようだ。
チケットが光り出し、私たちはゴツイ女性たちから逃げ出した。
彼女たちはお互いけん制し合っていたため、この成り行きにすぐ対応できなかったようだ。
牛だからかな?なにはともあれ、次は魔法の異世界へゴー!ぐにゃぐにゃした空間にさっと入り、移動を開始。
しかし、初異世界が牛人の世界とは…番いになれなかった女性ってほとんど闘牛だったし、怖かった。 やっぱりこっちの世界の男性陣も怖いから逃げたんだろうなあ。
しかし、滞在時間…わずか5分たらず。
異世界を実感できたのは、太陽が三つ。ドラゴンの航空ショーもどき?そして、筋骨隆々の牛人女性多数。
なんともトホホな初異世界でした。次に期待だー!
こんな感じで、無駄に旅行チケットを使う二人です。
11枚つづりで、すでに二枚使用。
ご利用は計画的に、の見本ですね(笑)