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異世界チケット使用4枚目。その7

杏子、少しだけ心境の変化があります。そして不名誉な二つ名がつきます(笑)


恋愛に行くか行かないか、どうかな。

杏子がそろそろ次の世界に移動を考えているようです。




 私の目の前に、血を見てひっくり返ったイケメンさんが寝ている。

ついつい、捌くのに夢中になってホラー映画並に血まみれになっていたことを忘れていた。

普段、血を見慣れてるはずの村人達もドン引きしていた、逃げなくてもいいじゃない!


 <戦慄の鉈使い杏子>という有り難くない二つ名をまたもらってしまった。


 はぁ~血の苦手なイケメンンさんには相当ショッキングだったに違いない。

悪いことしたなぁ。

 起きたら謝ろうと側に付いていたけど、眠気に負けて自分のベッドに行くのも億劫でイケメンさんのベッドの傍でうとうと…。

 そういえばそろそろ次に行く世界を考えなきゃな~。次は私の行きたいところだし。

今度はもふもふの動物がたくさんいるところがいいな。思い切りもふもふしたい!

 やっぱりもふもふは王道だしね。異世界旅行も何回かやってみて思ったけど、小説でよくある「異世界トリップ」じゃなくて本当によかった。

 言葉も文化も違う場所にいきなり放り出されて…女子高生ならまだしも、この年でそれはキツイ。

 多分すぐ死にそう。それに…頼りないけど、一応男のイケメンさんもついてるしね。

その点は感謝してるんだけど…このへたれっぷりはなんとかならないかな。

 世間知らずの箱入りのお坊ちゃんと旅行してる気分だよ…ま、もともと住む世界が違うから仕方ないか。

 そういや元彼も結構なへたれだった、私はこのタイプに弱いのかもしれない…気をつけようっと。


 ああ、でもイケメンさんにまずは男女の恋愛について教えないと…あの世界の教育ってどうなってんのかなー。

 いくら女性が少ないからって、天然記念物みたいな扱いはされたくない。

 しかし肉と野草ばかりで、さすがに辛くなってきた。

よし、次はもふもふで和食が食べられる世界にしようかな。


 それしにても、和食食べたい…お酒飲みたい…肉じゃが…味噌汁…

……

 次に目が覚めたら朝だった。

ん?目が合った。起きて私を見てたの?

目を見開いて固まってるイケメンさん。

「起きてたんなら起こしてくださいよ! あたたた、変な格好で寝たから体が軋む~」

 立ち上がろうとしたら、クラッとして後ろに倒れかけた。


「危ないっ!」

 ぐぃっと、腕を捕まれ引きよせられなんとか倒れずに済んだ。


 どさくさでギュッと抱きしめられた状態のとき、タイミングよく長老ハチェットさんが、朝食ができたと呼びにきた。けれど、私とイケメンさんを驚愕の目で見たかと思ったら、ニヤッと笑い「ごゆっくり~」と静かに扉を閉めた。


「「ごゆっくり?」」


 二人でキョトンとしたが、ベッドの側で抱きしめあう二人…ひゃー、ないない、ないから!

ご、誤解ですから!


「そうだ! 昨日は血まみれの姿見せてごめんなさい、前掛け外すの忘れてて。村の人もびっくりするぐらいだったぜって、ゲンジおじさんに言われて後から気付いたの。本当にごめんなさい…さっ、朝食を食べに行きましょう?」

 よし、ちゃんと謝ったし気を取りなおして食堂に向かう。


「そ、そうだね! そういえば僕もお腹空いたよ。早く行こうか。」

 二人で妙に赤くなりながら食堂へと急いだ。


 …細い細いと思っていた彼が、意外に逞しいとかちょっとだけドキドキしたとかは絶対言わない!


 私とは住む世界が違うから、好きになったら傷付くのは私。

 このまま気の合う友人くらいがちょうどいい、なんだかんだでイケメンさんに気持ちが少し傾いているのに、無理やり蓋をした。



少し短いですが、いったん切ります。区切りが難しい…


どちらもほんのり恋愛感情が芽生えてきてはいます。一人は恋すらまともにしたことのないある意味天然記念物イケメンと、一人は一通りの恋愛はしており、35歳にしてすっかり枯れているOL。ファンタジーに逃げているのも現実の男性にうんざりしているから。


※イザべラに対する思いは、洗脳教育で無理やり好意にされていたので本当は好きではありません。これはイケメンの国民全員に共通(稀に洗脳が効かない人もいる)



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