このギャルゲー、バグってね?/この乙ゲー、バグってない?
息抜きその3。超人間様に提案したネタを、形にしちゃいました。
このギャルゲー、バグってね?
平凡な高校生の『俺』は、ある日、見知らぬ部屋の見知らぬベッドで目を覚ました。
「君には、この『世界』をクリアして貰うわ」
そう『俺』に言う美人の女校長。うん、意味が解らない。
ここは、所謂ギャルゲームの世界。この世界の主人公は、『俺』
クリアするには、誰かと相思相愛になるしかない。
だけど。
「お兄ちゃーん、朝だよー!」
俺にはショタな弟なんていないぞ。こら、抱きつくな。
「おーい、一緒に学校に行こうぜ!」
家が隣のイケメンな幼馴染。……すいません、初対面です。
「君の様な男には、僕の様な高貴な人がふさわしい……」
うわ、薔薇が教室に舞ってるよ……
「先輩、僕、ずっと……」
やめてくれ! 君だけはマトモだと思っていたのに!
「俺ぁ、お前が……」
……勘弁してつかぁさい。
「くくく、君はもう、逃げられない……」
え、何これ、縛られてる!?
「ハァハァ……」
担任の先生が『俺』を見ている。……悪寒しか感じない。
攻略対象は、『男』……マジかよ……
『俺』に、そんなケは一ミクロンもない!
******
弟:90
幼馴染:87
お坊ちゃんの同級生:80
後輩:78
ヤンキー:75
会長:70
担任:53万
「……何このパラメーター?」
「何って、高感度だけど」
「男だけじゃん! しかも全体的に高感度高い! あと、担任の所おかしい!」
「……夜道には、気を付けなさいね」
「やめろ!」
「……校長は、対象にならないんですか……?」
「私は男には興味がないわ。強いて言えば、若い女が好みよ」
「駄目だこの学校」
「ちなみに、教頭(ダンディなおじ様、42歳)は攻略対象よ」
「……退学してぇ」
「はい、これが教頭のパラメーター」
教頭:∞ ~ザ・インフィニティー~
「うわああああああああ!」
「話しかけた瞬間、お持ち帰りされるわね」
「嫌だあああああああああああ!」
ああ、『俺』はどうしたらいい!?
何をどうすればいいんだ!
******
この乙ゲー、バグってない?
平凡な高校生の『私』は、ある日、見知らぬ部屋の見知らぬベッドで目を覚ました。
「君には、このゲームをクリアして貰う」
そう『私』に言う、ダンディなおじ様教頭。うん、意味が解らない。
ここは、所謂乙女ゲームの世界。この世界の主人公は、『私』
クリアするには、誰かと相思相愛になるしかない。
だけど。
「お姉ちゃん、ふかふかー」
『私』にはロリな妹なんていないよ。こら、離れなさい。
「おはよ! 今日もいい天気だね!」
隣の家の可愛い幼馴染。……すいません、どなたですか?
「貴方には、この白百合の花が似合いますわ」
ま、巻き毛ロール……
「先輩、あたし…… あなたが……」
やめなさい! あなただけはマトモだと思っていたのに!
「アタイ、アタイは……」
……もう勘弁してぇ。
「ふふふ、私の物に、なりなさい……」
え。え? く、鎖!?
「ハァハァ……」
担任の先生が『私』を見ている。……悪寒しか感じない。
攻略対象は、『女』……マジですか……
『私』に、そんなケは一ピコグラムもない!
******
妹:94
幼馴染:89
お嬢様の同級生:83
後輩:80
ヤンキー:79
副会長:75
担任:53万
「何なのこのパラメーター?」
「何って、高感度だが」
「女しかいない! しかも全体的に高感度高い! あと担任の所おかしい!」
「……一人で家に帰らない方がいいな」
「やめて!」
「……教頭は、対象にならないんですか……?」
「私は女には興味がないんでね。強いて言えば、若い男が好みだ」
「駄目だこの学校」
「ちなみに、校長(美人の若手。28歳)は攻略対象だぞ」
「……退学したい」
「これが校長のパラメーターだ」
校長:HAPPY END! ~終了のお知らせ~
「うわああああああああ!」
「話しかけた瞬間、ベッド・インだな」
「嫌あああああああああああ!」
ああ、『私』はどうしたらいいの!?
何をどうすればいいの!
******
二人の主人公の、一つの決意。
『絶対に』
「男に」
「女に」
『身を任せない!』
******
『要は』
「女を」
「男を」
『口説けばいいんだ! 絶対に、ノーマルのまま、クリアしてみせる!』
狂った世界に落ちた、二人の行き先は何処に。
******
そして。
「お前が」
「あなたが」
『もう一人の主人公!?』
どこまでも不幸な二人が出会った先に、待つ運命は?
******
「やばい、担任だ!」
「ふひひひひひ!」
「やばっ、担任だ!」
「いひひひひひ!」
ああ、二人は、無事、クリア出来るのか!
「待てよ! ふひひひひひ!」
「うおおおおおおおおおお!」
「待って! いひひひひひ!」
「わああああああああああ!」
「絶対に!」
「絶対に!」
『負けるもんかああああああ!』
それは、神のみぞ知る。
続かない。
でも正直書いてて凄く楽しかった。