第10章 8
宝石の中の星が、瞬きをした。
死ねと言う。宵空がわたしに死ねと言ってる。そうすれば、オグマの命は助けてやるさとわたしを誘う。
今、わたしにだけ出来ること__その答えはとうに知っていた。沢山の人が願ったこと、でも決して幸せな結果には終わらなかったこと、試してみる価値はある!
わたしは宵空を握りしめた。本当に、わたしに出来るのだろうか?
それでもいい。失敗したら__死んでオグマやお父さんに会える。
わたしはオグマの懐を探った。短剣はすぐに見つかった。夢の中で待っているより、一気にケリをつけた方がいい。
(まだ、ちょっとだけ怖い)
怖がってなんかいられない。みんなわたしより傷ついてる。ロザだってお父さんだって、オグマだって。それなのにわたしを守ってくれた! 今こそ恩を返せる時。そうでしょう?
(リートの笑顔が浮かんだ。それから、翼を広げた美しい後ろ姿。さよならなんていいたくない。どうしてわたしだけ__あなただけこんな目に?)
わたしだけじゃない。ベガ家の娘は皆同じ目に遭ってる。自分の意志で命を捨てるんだから、怖くなんかない!
(だけど、オグマは本当にそれでいいと言うだろうか?)
時間が経つと共に、次から次へと迷いが湧いてくる。それら全てを断ち切るために、わたしは短剣を鞘から抜いて、刃を胸に向けて、振りかぶった。




