表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輝ける明けの明星  作者: 六福亭
27/66

第5章 5

「……やっと見つけた」

 オグマの声がした。少し疲れてる。

「さあ、リートとこの子を返してもらおうか」

「そうはいかないね。こいつはあたしの獲物だ」

 オグマさんはわたしの前に出る。

「えせ占い師が、何を企んでいる?」

 ジャネスはヒステリックな笑い声を上げた。

「あたしは占い師よりも本当の魔術師なのさ! 誰にもできないことをやれる。お前とも占い師どもとも違う!」

「腐った性根と占いの下手さで追い出されたんだろう。魔術師の猿真似よりも先にまともな占いの一つでも見せてみろ」

「うるさいっ!」

 思わず吹き出してしまい、慌てて口を押さえた。ジャネスはやけに静かな声で言った。

「後で後悔しても知らないよ」

 オグマが動く。だけどその時には既に皆いなくなっていた。ジャネスもモリも、リートさえ。オグマはしばらく辺りを歩き回っていたが、諦めて戻ってきた。

「オグマさん……」

 焦りと怒りの滲んだ声でわたしに聞く。

「何があったんだ」

 わたしは自分が分かっていることだけを全て話した。

「……まあ……君が無事だったのが不幸中の幸いだな」

 胸が罪悪感で苦しい。わたしのせいだ。勝手に館を抜け出したせいでこうなった。

「ごめんなさい」

「いい。放っておいた俺も悪い」

 だけど、苦虫をかみつぶしたような顔のオグマの怒りは、きっとわたしに向けられている。

「ううん、わたしのせいです」

 ぽろっと涙がこぼれ落ちた。

「わたしのせいなの。何も出来なかった。役立たずで足ばかり引っ張ってて……め、迷惑ばかりかけて」

 オグマが溜息をついた。いけない、また困らせてる。戦くわたしにかけられたのは優しい響きのある声だった。

「君もリートもまだ子どもなんだ。迷惑ぐらいいくらでもかければいい。あまり気にするな」

「で、でも……」

「失敗を返上するために俺がいる。リートを助けに行こう。必ず間に合う」

 わたしは涙を何度も拭う。

「本当に? 大丈夫?」

「大丈夫。随分前から手は打ってある」

 顔を上げると、オグマは微笑んでいた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ