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65 受難(1)

 東部に派遣された聖女騎士団は二万と最も劣勢であったが、それでも#従来の異界の者__・__#であったら対処できたはずであった。しかし、かつてない規模の侵略者の軍団の前では潰滅するしかなかった。侵攻から二日で残されたのはフランチェスカと数人の騎士しかいなかった。もしかすると北部に派遣された部隊であれば、互角であったかもしれないし、三つ全てが一丸であれば撃退できたかもしれない。しかし結果は残酷であった。


 「各個撃破が目的でしょうな。いち早く南部と北部に派遣された部隊を王都に戻さなければ」


 フランチェスカについていた唯一の将官であるグルバートは悔しかっていた。もう東部派遣部隊の通信用伝書鳥は残されていなかった。唯一の方法は自分たちが王都に敗走したと伝えるしかなかった。


 「仕方ありません」



 フランチェスカも馬に乗っていた。機動性のない聖女用客車は捨てていた。心残りはそこに骸になったセシルを置いてきてしまった事だ。埋葬する余裕がなかったからであるが、可哀そうな事をしてしまったの悲しんでいた。


 「グルバート様、タンネンブルグ伯の領地までどれくらいかかりますか?」


 「そうですね、夜明け前までにつけばいいですが・・・」


 必死に逃避行している一行であったが、既に異界の者たちの尾行が付かず離れずついていることに気付いていなかった。


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